「日本、ニホン、nippon」駒田六花2016年1月19日~1月22日

展覧会「日本、ニホン、nippon」が開催されます。
会場:アートギャラリーT+
会期:2016年1月19日-1月22日
出展者:駒田六花(デザイン専攻建築領域2年)

T+review

生け花において草木の役割とは大地に根をつけて生きたつ草木の有機的バランスを描いて完結する生命の消長をあわすことである。「消長」とは物事が衰えて消えるか伸びて盛んになるか、というなりゆきのことであるが今回の作品「日本 ニホン nippon」で使われていた材料は枯れ木であった。しかし不思議なことにこの作品には圧倒的な生命力を感ぜざるおえなかった。小さいギャラリーに、大量の枯れ木を使い形態づくられた「なにか」は観察し続けるうちに大きな動物のようなものに見えてくる。その枯れ木で形態づくられた周りには、2本の青と赤のホースが有機的に絡み付いている。この作品を「動物」と捉えるのなら、そのホースはおそらく動脈と静脈だろうか。そうとらえると、枯れ木は命の終結を感じるが、絡み付く赤と青のホースは命の伸びやかさや生命力を感じ、それがなんとも絶妙な緊張感をもってギャラリーを支配していたように思える。すると窓ガラスに大きく貼られた「日本 ニホンnippon」という題名にも目がついた。「ニホンらしさである木材」「ニホンのホース」。きっと偶然ではないだろう。では「nippon」とはなにを指しているのか。海外からみた日本の姿なのか。いや、もしかしたらただ言葉遊びかもしれない。私は答えを見つけることができなかった。しかしいずれにしても大量の枯れ木に絡み付く2本のホースからは得体のしれない躍動感、生命力を感じ、おのずと自らも活気づけられる作品である。今日、都市化が進む一方で負けじと雑草もアスファルトの地面を突き破って芽吹いている。大木ともなると人間の作ったものなど物ともせずに浸食していく。どれだけ人間が鉄とコンクリートで文明を築いたとしても、いつかは木々に覆われ大地に帰ってしまう。それと同じくして人間もいつかは大地へ帰っていく、生命力と反して完結する命の消長をこの作品から学んだ。(下釜 早貴)

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