「祥 子」 大野香枝、鎚谷紗希 2013年7月1日~7月5日
展覧会「祥 子」が開催されます。
会場:アートギャラリーT+
会期:2013年7月1日(月)~2013年7月5日(金)
出展者:大野香枝(構成専攻3年)
鎚谷紗希(美術専攻日本画コース3年)
会場:アートギャラリーT+
会期:2013年7月1日(月)~2013年7月5日(金)
出展者:大野香枝(構成専攻3年)
鎚谷紗希(美術専攻日本画コース3年)
複雑で純粋な少女の心を擬人化し、女の子に「祥 子」と名づけました。
祥 子をテーマにした、詩と絵の展示です。
T+review
「祥子」とは展示者の名前ではない。祥子とは複雑で純粋な心を持つ架空の少女である。当初、「祥子」とは展示者の名前かと思っていた。何故かというと展示された原稿用紙の綺麗な手書きの文字とその隣の絵が一人の人物によってつくられたものに思えてしまい、実はそこにふたりの展示者の姿があることに気づけなかったからだ。ではこの少女「祥子」は一体誰なのかという疑問がふと浮かんだ。純粋で複雑な心を持つ少女。それが彼女たちが生み出した少女、「祥子」である。
祥子は悩む、祥子は描く、祥子は綴る。
本展において展示者本人の姿は見えず、そこにいるのは「祥子」。ただひとりの少女である。それ以上でもそれ以下でもない。それにしてもここまで展示者の姿を掻き消すことが可能なのだろうか。いや、可能だからこそこの展示は成立したともいえるだろう。
難しい言葉など存在しなかった。日常に隠れた何気ないなにかが切り取られたようにそこに広がっていた。それは、展示者でもない他の誰でもない「誰か」につくられた少女が紡いだ言葉だからこそ、そう感じたのかもしれない。少ない言葉だからこそ伝わってくるものがある。彼女がつくられたものだと知った後、もう一度ギャラリーへ入ってみた。扉を開けた瞬間、形もない少女にギャラリーの向こうからこちらをそっと覗き込まれたような、そんな気がした。(太田夏希)