「kitchen」 刈部芙美 2013年6月3日~2013年6月7日

展覧会「kitchen」が開催されます。
会場:アートギャラリーT+
会期:2013年6月3日(月)~2013年6月7日(金)
出展者:刈部芙美 (美術専攻洋画コース3年)

台所をテーマとした、油絵等の作品を展示します。

T+review

台所をテーマにした展覧会だと聞いたとき、どのように台所というものを表すことになるのかイメージが湧かなかった。台所はあまりにも生活に密着した場所であるので、改めて画題として捉えるということが―客観的に表すのか、感情をこめて表わすのか―難しそうだと感じたからだ。
展覧会全の内容は食べることや料理することにまでテーマが広がっていたが、そうではなく台所の姿のみに絞っていったらより面白かったのではないかと思う。

彼女の描いた台所からは、自分にとって身近であり思い入れが強い場所という印象も感じつつ、客観的に台所を見ようとする姿勢が感じられる。彼女が描いた台所を見て、なんだか作者の肖像画のようだと思った。
ちょうどシンクの少し後ろに立っているような視点で描かれた台所。正面にぶら下げられたフライ返し、向かって左側には電子レンジと冷蔵庫、右側には牛乳パック。物体として、場所として“ありのまま”の台所の姿を描きながら、色彩を現実のものと変えるなどして感情も表わそうとする作者。彼女に台所を描かせたのは、記録として台所の姿を残したいという思いだけではなく、自分の姿―一人暮らしを始めてから今までの―を台所に重ね、自分自身を見つめたいという思いだったのだろう。(岡野恵未子)

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