「絵だ。」 大脇聡史 2013年5月20日~5月24日
展覧会「絵だ。」が開催されます。
会場:アートギャラリーT+
会期:2013年5月20日(月)~2013年5月24日(金)
出展者:大脇聡史(美術専攻洋画コース3年)
会場:アートギャラリーT+
会期:2013年5月20日(月)~2013年5月24日(金)
出展者:大脇聡史(美術専攻洋画コース3年)
絵だ、えだ、枝、絵だ、枝の絵だ。
既成のキャンバスを用いずに枝で絵を描くとどうなるか、やってみました。
T+review
絵だ。木の枝で描かれた絵だ。
その展示タイトルに含まれた遊びに気がついたとき、誰もがくすっと笑ってしてしまうだろう。ギャラリーに並ぶのは何本もの木の枝を組み合わせて作り出された作品である。それらは人工的に着色された枝と自然の木の皮の枝の2つで構成されている。
「既成のキャンバスを用いずに枝で絵を描くとどうなるか、やってみました」という作者の言葉通り、作品はとても実験的であるように感じる。自然と人工の織りなすその構造体は見る人によって違った印象を与えるかもしれない。感覚的に形成された作品の荒々しさとその爆発的な造型表現からは作者の挑戦的な姿勢が伺える。中でもひときわ目立つのは、ギャラリー正面の壁に展示されている「日本」である。赤色に塗られた木の枝はいくつにも重なり合って円を描いている。それは横長の白い壁面の真ん中にどっしりと構えている。作者は白い壁さえもキャンバスに変えてしまったのだ。
一方で、ギャラリーの床には砂場が作られている。その横には木の枝が用意され、キャプションには「ご自由にお描き下さい」の文字。展示を見に来た人たちが気の向くままに砂浜に絵を描くように落書きをしている。非常に茶目っ気のあるおまけである。作者はきっと少年のような遊び心を持った人物なのだろう。そして躍動するエネルギーに溢れる作品たち。彼の中のユーモアとセンスが、彼の手によって芸術表現に転化した例証が、ここにはある。(高橋和佳奈)
