「garbage dump」 安酸利倫 2013年2月27日~2013年3月1日

展覧会「garbage dump」が開催されます。
会場:アートギャラリーT+
会期:2013年2月27日(水)~2013年3月1日(金)
出展者:安酸利倫(美術専攻洋画コース2年)

最初の二十年間、その残留。

T+review

脚立やロープ、大量のごみ袋などによって、まるでよくある荷物置き場のように演出されたT+ギャラリー。意外と違和感を覚えないのは、ここはT+ギャラリーとなる前、実際に荷物置き場のように使われていた場所だからだろうか。

さて、「garbage dump」という攻撃的な展示名通り、ギャラリーの中には膨らんだゴミ袋がうず高く積まれている。中身は新聞紙が入っているようだが、よく見てみると、ちらほらと作者の描いたドローイングが入っていることに気付く。この展示で、作者は自分の過去の制作物を捨てている。
作者が自分の過去を捨てようとした目的はなんだったのだろうか。過去との自分と決別し、制作に新たな姿勢で向かおうという意思か。

過去に描いたドローイングを「捨てて」いる作者。しかし段々と、作者のしている行為がそれだけではないことが分かってくる。袋の中のドローイングは画面が良く見えるように向きや位置などが考えられて配置されており、意図的なものが感じられる。ただ単に捨てているようには思えない。つまり、作者は自分のドローイングを「捨てて」いることを、観客に「見せて」いるのだ。そのような「結果的にドローイングを見せている」という作者の意思があるにしろ無いにしろ、ギャラリーという場所で行っている以上、そこにあるものが「見せられている」ものであることはどうしても拭えないのだ。(岡野恵未子)

2.27-garbage dump