「flashlight」 水本隆朗 2013年1月22日~2013年1月25日

展覧会「flashlight」が開催されます。
会場:アートギャラリーT+
会期:2013年1月22日(火)~2013年1月25日(金)
出展者:水本隆朗(芸術専門学群構成専攻ビジュアルデザイン領域3年)

立体作品によるインスタレーション。

T+review
  軋む扉を押し、重みのある黒いカーテンをかきわけ展示室の中へ入り込むと、外の世界から完全に遮断された音のない空間の中、5つの円錐が輝いていた。
 光とは不思議なものだ。昼間の太陽の下この淡く灯る部屋に入り込むと儚く感じられ、そして夕方では暖かく、夜には眩しいものになる。同じ光だとしても何ひとつ同じものはない。ただ、そこに在るだけで様々な表情をみせてくれる。
 明かりが灯っている。
 それだけのことが、こんなにもたくさんの意味を持つ。「光」がなければわたしたちは存在することが出来ない。
陽が落ちた頃、ふらりと立ち寄った。カーテンを押した向こう側で輝く光に眩暈がした。
 その時、ふと部屋に戻るたびに覚える孤独感を思い出した。ドアを押しても誰もいない。閉まってしまえば光が途絶え暗闇のなかに取り残される・・・明かりを灯すまでの数秒間、わたしはこの世界にひとりきりになる。
 何度カーテンを開いても、この部屋の明かりは灯っている。
 自転車で横を駆け抜けていくときも、友人を談笑しているときも、黒いカーテンの向こう側には確かに存在できる空間がある。「存在できる空間がある」ということはなんて愛おしく、安心できるものなのだろうと、そう思えた。(太田夏希)