【授業紹介】メディアアート・フィジカルコンピューティング

芸術専門学群で開設されている「メディアアート・フィジカルコンピューティング」について紹介いたします。担当は総合造形領域の村上史明先生です。「フィジカルコンピューティング」とは、ニューヨーク大学から始まった教育プログラムであり、既存のパソコンの形態を超えて私たちの生活環境に寄り添った身体的なコンピュータのあり方を模索する研究(第1回授業解説より)を指す言葉です。この授業では基礎的なコーディングとマイコンの動作に触れ、最終的にはメディア・アート作品を制作します。

今年度は、「Raspberry Pi Picoマイコン」と、開発環境として「Thonny」を使用します。前半の授業ではセットアップから基礎的なサンプルコードを用い、その後コードを改変しながらオリジナルのコーディングに挑戦しました。

以上、秋学期の授業「メディアアート・フィジカルコンピューティング」についての紹介でした。

授業の様子

ライトアート作品の試作

ライトアート作品の試作

ライトアート作品の試作

【授業紹介】ハイブリッドアート演習

芸術専門学群で開設されている「ハイブリッドアート演習」について紹介します。担当は総合造形領域の村上史明先生です。アドビ社の動画編集ソフトウェアAfterEffectの基礎的な使い方を学びながら、アニメーション作品を制作します。今年度は、茨城県の衛生研究所と、筑波大学附属病院 から感染症予防の専門家をお招きし、薬剤耐性菌に係わる啓発活動を目的としたホスピタル・アート作品(アニメーション)をグループで作成します。内容としては、不適切な抗生物質の摂取によって、薬に対する耐性を持った病原菌が生じること、また抗生物質によって常在菌と呼ばれる、人体にとって有益な菌を殺してしまうこと、をアニメーションで効果的に表現することを目指します。

初回のガイダンスでは医師による薬剤耐性菌についての解説がありました。第2〜3回の授業では練習用素材を使用して「AfterEffect」の基礎的な概念(インターフェースの解説、タイムラインの解説、加速減速、プリコンポジションなど)を学びました。今後は、プランごとにグループに分かれてアニメーション作品の制作を行い、2023年2月頃の完成を予定しています。すぐれた作品については、茨城県内の病院や薬局、小学校で上映されることが決まっています。

以上、秋学期の授業「ハイブリッドアート演習」についての紹介でした。

筑波大学附属病院 感染症科 感染症専門医 喜安嘉彦医師によるレクチャーの風景

グループでのディスカッション

【授業紹介】総合造形領域 村上史明ゼミ

本記事では、メディア・アートや現代アート、ホスピタル・アートを主な研究分野とされている総合造形領域の村上史明先生のゼミについて紹介します。ゼミでは作品や論文の先行事例の研究・発表からはじめて、卒業論文や制作といった最終的な目標に向けて研究を進めます。毎週開催されるゼミでは、多角的な視点で意見交換が行われ、専門分野にとらわれない美学的な視座によって論理的な問題解決を試みています。また、ゼミ全体のプロジェクトとして、アルス・エレクトロニカやつくばメディアアートフェスティバルへの出品の実績があります。
所属する学生は、アニメーションやUI・UXデザイン、イラストレーション、立体造形、インスタレーション・アート、現代アート、写真など、幅広い分野の学生が所属しています。

ゼミの様子

メディアルームでの作業の様子

2022年9月29日〜10月2日 インター・カレッジ・アニメーション・フェスティバル(ICAF)に筑波大学が出展しています

全国の教育機関で制作されたアニメーション作品を一堂に集め上映する、本格的な学生アニメーションのフェスティバル「インター・カレッジ・アニメーション・フェスティバル(ICAF)2022」に、本学の学生作品が出品され、国立新美術館で上映されます。

https://icaf.info/

【出品者】⽐留間 未桜さん、⼭岡 ⼀樹さん、寺澤 理歩さん、徐 徳天さん

【会期】202年9月29日(木曜日)から10月2日(日曜日)
オンライン期間:9月26日(月曜日)から10月2日(日曜日)
会場上映期間:9月29日(木曜日)から10月2日(日曜日)
【会場】国立新美術館(全作品上映)
特設WEBサイト(一部オンライン配信)

【主催】インター・カレッジ・アニメーション・フェスティバル実行委員会
【共催】日本アニメーション協会(JAA)、日本アニメーション学会(JSAS)
【特別協力】国立新美術館

 

[授業紹介・総合造形]メディアアート・プログラミング

総合造形領域では、2022年の春学期にメディアアート・プログラミングという「p5.js」の開発環境を用いた演習を行いました。春の講義では、本格的なプログラミング技術の習得ではなく、プログラミングによるジェネラティブアートの入門として「p5.js」を用いたプログラミングに慣れ、インタラクティブな作品を制作する目的で行われました。
第1回から第3回にあたる前半の講義では、forやtranslateなどの基本的なプログラミングの命令方法を習得します。学生はそれらを用いて、各自で身の回りにある品物の描写や、身近なパターンや模様の描写など、静止画のイラストレーションの制作に取り組みました。
続く第4回からの講義では、実際にこれまでに習得したプログラミングの命令を用 いてアニメーション化された作品やインタラクティブな要素を持つ作品の制作に取り組みました。
この段階では「実在しない花」というテーマをもとに、それぞれ空想のモチーフを 設定し、自由な手法で表現します。一人ひとりが用いる記号・命令・色彩やアニメーションの用い方は多様で、コンピュータグラフィックの展開の幅広さと、1人1人の アイデアの柔軟さが感じられる作品が多く寄せられました。
最終課題では、3~4人で1グループの共同作業となり、これまでに習得した技術や パターンを用いて、抽象的な表現によるMVのビジュアル制作に取り組みました。 全5グループの作品は、直線や円を用いた表現からネコやウサギが登場する具象的なデザインまで、非常にバラエティに富んだ作品が生まれました。