鑑賞のメタ認知学習

 美術鑑賞学習におけるメタ認知は,主体的な学習を促す上で重要な役割を果たすと考えられます。メタ認知が発達的に小学高学年以降において効果的に機能するという知見があります。本研究では、中学生以降の事例分析によって鑑賞スキルの学習を方略的知識とするメタ認知が確認されています。また,鑑賞の深化は,鑑賞の熟達化や転移が促され,知識や思考の構造化がそれらを促すことであると考えられます。鑑賞学習では,これらの方略をいかにメタ認知的知識としてモニタリングできるようにするかが重要です。
 本研究は,鑑賞スキルの観点を理解して鑑賞文を自己分析する活動や,思考の構造化を図る活動を鑑賞に積極的に取り入れる学習を事例として示しています。