鶴岡政男「食卓」
作者生没:1907 高崎(群馬)- 1979 東京
制作年:1960年代
技法材質:パステル、紙
寸法:27.0 x 38.0 cm
署名:右下に署名「M. Tsuruoka」
展覧会歴:「紙上の技法学 筑波大学所蔵 石井コレクション」2012年1月7日-2月19日 武蔵野市立吉祥寺美術館 cat. 10。
文献:寺門臨太郎編『筑波大学所蔵石井コレクション Ⅰ. 絵画』、筑波大学芸術学系、2011年、cat. 33。
所蔵番号:2010-JD-IS002
作品解説:
画面下方の食卓には匙の入ったままの皿や卵が載せられ、一方の画面上方には白色の背景に色とりどりの抽象的な図形が浮かべられている。後者に関しては、同時期のパステル画を多く集めた銀座、フマギャラリーでの個展「鶴岡政男パステル展」(1979年)に出品された《仮面の夜》にも同様の描写がみられる。鶴岡は戦前から躍動感に溢れる油彩画を描いた。戦後には代表作の《重い手》(1949年)など、重々しく暗さに満ちた作品を制作したが、1960年代後半には再び明るさが戻るようになる。鶴岡は本作のようなパステル画を1960年代に集中して描き、それらを展観する個展も数度開催しており、本作はそのいずれかに出品された可能性が高い。「食卓」を主題としたパステル画作品としては、1962年9月の「鶴岡政男作品展」(東京・大丸)に出品し、現在は群馬県立近代美術館に所蔵されている《食卓の人》があるが、これはモティーフの点で本作の《食卓》とは相違がある。