今回ご紹介するのは、1年生向けに開講されている「工芸基礎演習(陶磁)」です。

この授業では、陶磁制作(やきもの)の最も基礎となる部分を、実験的な制作を通して学んでいきます。

課題は「土とは何か」「焼成することとは何か」という大きなテーマがあり、最終的には「毎日使いたくなるようなマグカップを制作する」を課題に繋げていきます。

まず初め、「土とは何か」を模索するため、まず受講生は近くの公園などから土を掘ってきます。掘ってきた土を用いてテストピースを作り、素焼き、本焼きまで行います。焼くと土によって様々な変化が見られ、窯出しの時には驚きの声が聞こえてきます。

焼成することとは何か」については授業を通して学んでいきますが、大きな課題として「100円ショップで買ってきたものを焼成する」というものがあります。学生は100円ショップでなんでも商品を買ってきて、泥漿と釉薬を纏わせて素焼き、本焼きを行います。これも窯を開けてみるまでどうなっているのかわからない課題です。

その後は粘土を用いてテクスチャを模索したり、作陶に必要な道具作りを行ったりしたのち、そこで得られた結果を用いてマグカップの制作へと移っていきます。ここまでの活動はそれぞれによって記録され、最後は作品を用いたプレゼンテーション、レポートの作成を行ってまとめられます。

学生はこの授業で実験的な活動を通して、陶の根幹となる部分を体感し、学んでいきます。驚きや発見の多い授業なのではないでしょうか。

以上、工芸基礎演習(陶磁)のご紹介でした。