【行事紹介】ふいご祭

11月12日、デザイン専攻主催の儀式として毎年恒例のものとなっている「ふいご祭」が行われました。毎年3年生が幹事を務めます。

もともと「ふいご祭」とは、鍛冶屋さんなど「ふいご」と呼ばれる手動の送風機を扱う人々が、旧暦11月8日に行っていた行事です。デザイン専攻の学生たちも「ものを作る」者として、一年の安全と成長を感謝・祈願するために、芸術学系工房棟にて毎年開催しているのです。

今回の「ふいご祭」の参加者はなんと総勢100名以上。先生方や学生、そして卒業・修了生の方などデザイン専攻にゆかりのある多くの方々にご参加いただきました!まず、ふいご祭をとり行うにあたって、ふいご祭の起源などについて蓮見先生よりお言葉をいただきました。蓮見先生は、1991年から現在までの約20年間、筑波大学や大学院でプロダクトデザインやユニバーサルデザイン、まちづくりについてご指導に当たられています。そのため、本当に多くの卒業生の方にとって「母校に戻って来た」と強く実感できる瞬間だったのではないかと思います。

その後、場所をつくば市内の中華料理店に移して二次会が行われました。今年度は蓮見先生が定年退職されるということで、花束や、先生への思いが綴られた約100人分のメッセージカードが贈られました。

会場内は終始賑やかで、久々の再会にお話が弾んでいる様子でした。また、就活真っ只中でまだまだ悩むところも多い私たち3年生にとっても、先輩方のお話を聞くことが出来る大変良い機会でした。こうした、先輩や後輩の縦のつながりが築かれる集まりをきっかけに、視野を広げることが出来ると良いかもしれませんね。

[デザイン専攻3年 M.I]

お供え物もあります。

お供え物もあります。

蓮見先生からふいご祭の由来の説明

蓮見先生からふいご祭の由来の説明

今年のふいご祭のスタッフとして活躍していた3年生たち!

今年のふいご祭のスタッフとして活躍していた3年生たち!


【授業紹介】デザイン演習5 最終プレゼンテーション

11月25日、デザイン専攻の3年生の必修授業「デザイン演習5」の最終プレゼンテーションが行われました。今回も、情報、プロダクト、環境、建築デザイン領域ごとに提示された課題に取り組みました。
まず情報デザイン領域では「筑波大学体育ギャラリーの展示計画と展示制作」ということで、「震災復興とスポーツ」と題した企画展を、筑波大学の5C209展示室(体育ギャラリー)にて実際に開催しました。
次にプロダクトデザイン領域では「絶対に困らないスマートデザイン」というテーマで、震災時から個人の腹痛まで、様々な「困った」場面を想定したプロダクトをデザインしました。
環境デザイン領域の課題は「震災復興まちづくり」ということで、茨城県桜川市真壁町の御陣屋前通りを対象地として、登録有形文化財の高久家住宅や橋本時計店跡地をいかに活用するかを踏まえつつデザインしていきました。
そして建築デザイン領域は、第5回長谷工住まいのデザインコンペティションに向けて「再び『集まって住むこと』の豊かさ」というテーマでした。1500平米の敷地内に30戸、容積率200%といった条件のもと、共用エリアなどを有効に使い、「集まって住む」ことのメリットを表現した作品が並びました。
全体的に震災が起点となった内容だったとも言えます。私たちにも大きな影響を与えた3月の震災から、多くのことを学び取って成長していかなくては、と実感した「デザイン演習5」でした。

[デザイン専攻3年 M.I]

情報デザイン領域課題プレゼン

プロダクトデザイン領域課題プレゼン

環境デザイン領域課題プレゼン


【授業紹介】デザイン総合演習『まちかどラボラト・ラリー』

11月18日、稲敷市の江戸崎商店街にて、大学院の授業である、「デザイン総合演習」のまちづくり社会実験『まちかどラボラト・ラリー(以下まちラボ)』が行われました。

昨今、地方の中心市街地の衰退が問題となっていますが、稲敷市の中心である江戸崎商店街もまさにその典型的な例であり、大型商業施設との価格競争では後塵を拝し、後継者がいない商店も多く、商店主も行政も商店街の未来を描けていないという状況がありました。
しかし、幸いにも江戸崎には他所の人(今回は私たち筑波大の学生)を受け入れてくれる土壌があり、これからの江戸崎商店街の探るための社会実験をさせていただくことができました。
まずは第三者としての客観的視点をもちながら、4つのグループごとに江戸崎商店街をリサーチすることからはじまりました。
そこから見えてきた様々な手がかりは、私たちが発見した江戸崎の魅力を街の人々に伝え、また新たなアイデアを引き出せるような、まちづくりのイベント『まちラボ』へと繋がっていきます。
具体的には、まちかどに点在する4つのラボラトリー(実験室)をスタンプラリー形式で街の人々と巡っていきます。

まずは、江戸崎商店街に残る言い伝えや昔の記憶を街の人々に話して頂き、私たちだけでは知ることのできない、街の歴史やディティールを明らかにしながら、江戸崎の新たなキャラクターづくりをしていこうという『江戸崎の記憶を記録するためのおしゃべり会』を行いました。
最初はお互い探り探りの状況でしたが、気づけば様々な話が人々から飛び出し、ワークショップは大盛況のうちに終わります。
続いては江戸崎の商店に眠っていた『いえ印』を復活させ、江戸崎商店街のあらたな風景や風景にしていこうという『江戸崎いえ印探検隊』に移っていきます。いえ印というものは、それぞれの家の特徴を簡潔に表すことのできる大変優れたデザインで、今回の試みは伝統を復活させるということだけに留まらず、文字や看板が乱立する現代の商店街に対し、新たな商店街の風景を提示している気がしました。これに伴って配布された『いえ印手ぬぐい』のデザインは江戸崎の人々大変好評でした。
次は『シャッターラボ−江戸崎今昔物語−』へ移っていきます。これは江戸崎の商店街において、シャッターを閉めている店舗が点在しているという現状を受け入れつつ生かせないかという試みで、実際にシャッターに商店街の古い貴重な写真を貼り、さらにこの写真を踏まえて現状の様子を写真に収めにいくということで、過去と現在を繋ぐような役割を果たしてくれました。

そしてこれらのまちラボを統括・運営していたのが『おもてなしキャラバン』です。今回は八百伝さんの店先をお借りして、ワークショップ会場にしたり、やってきた人々をお茶や焼き餅でおもてなしする役割を担いました。『おもてなしキャラバン』を実現するにあたり、自然と店先を整える必要があり、今回は窓拭きや看板掃除もやらせていただきました。これがキャラバンのように続いていったら商店街の美化に繋がるかもしれません。また、店先に七輪を置いているだけで、何しているの?と興味をもってくれる人々が多くいました。きっかけは些細なことなのかもしれません。
このまちラボに合わせて江戸崎まち模型も制作しました。普段住んでいる街が客観視できるとあって住民たちは興味津々で、自分の家を見つけると大変喜んでいました。この模型はもう少し修正をして市役所に寄贈します。まちラボで示した私たちのアイデアとともに江戸崎のまちづくりのきっかけとなっていってくれればと願います。

[デザイン専攻4年 T.S]

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江戸崎商店街をリサーチ

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江戸崎の記憶を記録するためのおしゃべり会の様子

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『いえ印』の復活。商店街を彩ります

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ワークショップ会場の『八百伝』さんの店先でおもてなし

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江戸崎まち模型を囲んでのミーティング


東日本大震災復興支援プロジェクト「宮清大蔵土壁塗りワークショップ」を開催しました。

2011年10月30日 つくば市北条
東日本大震災復興支援プロジェクト「宮清大蔵土壁塗りワークショップ」
(主催:筑波大学adp 指導:芸術系教授 安藤邦廣)を開催しました。

つくば市北条にある土蔵を改修した音楽ホール宮清大蔵がこの度の震災で土蔵の壁に大きな損傷を受けました。
これまで改修計画に協力してきた安藤研究室とadpの受講学生によって、地域の子供たちの参加による土壁の補修が行なわれました。
学生が1ヶ月前から、剥落した土壁に新たに藁と水を混ぜ、準備を行ないました。
当日は左官職人の指導によって、子供たちや学生の手により土壁が塗り直されました。子供たちにとっても貴重な体験となりました。

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関連ページ

大学を開くアート&デザインプロデュース(ADP)2011
安藤邦廣(筑波大学 芸術専門学群 デザイン専攻 建築デザイン領域 教員紹介)

東日本大震災の木造応急仮設住宅の住民の支援プロジェクト「端材を利用した家具づくりワークショップ」を開催しました。

2011年11月3日 福島県いわき市
東日本大震災の木造応急仮設住宅の住民の支援プロジェクト「端材を利用した家具づくりワークショップ」
(主催:筑波大学芸術系安藤研究室・橋本研究室)を開催しました。

福島県いわき市に建設された木造仮設住宅(芸術系教授安藤による設計)において、そこに居住する楢葉町の住民約40名が参加しました。
それを支援したのが、筑波大学のデザイン専攻の大学院生、学群生を中心とした、約40名のボランティアスタッフです。
その仮設住宅で余った端材を利用して、仮設住宅建設に携わった工務店の協力を得て、住民の要望を聞きながら、ベンチや椅子、棚などの家具、約40点を制作しました。

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安藤邦廣・橋本剛(筑波大学 芸術専門学群 デザイン専攻 建築デザイン領域 教員紹介)