3

つくば道ほたるプロジェクト

担当教員:安藤邦廣(教授・建築デザイン)
筑波山麓では、歴史的に形成された町が昔の面影を今に残す。その風景と、風景の中に織り込まれた歴史に「光を当て」、人々が見直すきっかけになるようにいくつかの光のイベントを実施した。北条地区での「光景Light scape―北条 光の展覧会―」、筑波地区での「竹明かりの石段」「筑波山神社ライトアップ」をプロジェクトとして実施し、一昨年から行われていた田井地区の「瓦の灯りプロムナード」と合わせ、各地区の特色を生かしたイベントを実施することで、それぞれの地区の個性を際立たせることができた。さらに、国民文化祭に向けて個別に活動していた各地区を、光≠ニいうひとつのキーワードでつなげることを目的とした。普段は夕暮れ以降ほとんど人通りがなくなる筑波山麓地域だが、国民文化祭会期中の夜のイベントとして、地元の方を中心に各地区とも大きな反響をよんだ。
年間スケジュール
2008.5
プロジェクトチーム結成
地元の主催する北条歴史探訪に参加
6
地元の方々と打ち合わせ
7
試作
竹とうろうの試作
手作り提灯の試作
夜のつくば道を歩く
8
外部団体との打ち合わせ
茨城ウォーキング協会に共催を申し込む
予算検討
9
プレゼン
学内プレゼン
北条の岩崎屋でプレゼン
筑波の郵便局でプレゼン
10
制作
竹とうろうの制作
「光景」展の作品設置交渉
「光景」展作品制作
11
実施
竹明かりの石段
 「埋もれた歴史を照らし出す」というコンセプトのもとにつくば道沿いにある昔ながらの姿を残す石段に竹とうろうを設置し、ひっそりと佇んでいる魅力ある古民家にも明かりを灯した。
  当日は地元の方々が普段は静かなこの道に集まり、ろうそくの優しい明かりに包まれ幻想的な光景を楽しみながら語り合ってもらうことができた。
  明かりに誘われてぶらりと立ち寄った観光客も、親子で訪れた近所の人も、訪れた人に俳句やメッセージ、絵などで竹とうろうを彩ってもらった。
筑波山神社ライトアップ
 関東でも屈指の神社建築である筑波山神社のライトアップを、ライトアートの分野で世界的に知られる筑波大学の逢坂卓郎教授に依頼した。神主の方からは「常設にしたい」といった声を聞くことができた。
光景Light scape‐北条 光の展覧会‐
 ライトアートの授業の成果発表会を、北条地区で行う事を提案し、店蔵の町並みを舞台にした光の展覧会が実現した。学生自らが実行委員会を組織し、地元との作品設置に関する交渉を進めた。夜の北条に設置された光の芸術作品は、写真家や子供たちにも人気をよんだ。また、講評会では国民文化祭の総合ディレクターである北川フラム氏より講評を得るなど、対外的な作品発表の場となった。
夜のつくば道めぐり
  提灯を持って夕暮れ時のつくば道を歩くイベントを企画した。つくば道も今では車で行き来する人がほとんどだが、本来は筑波山神社への参詣道として昔から多くの人が歩いてきた道である。そこで、歩く事を通してもう一度つくば道を捉え直すことを目的として、このイベントを企画した。
  企画内容は、地元の方々から提灯を借用し、それらを携えて他の明かりのイベントを巡りながら筑波山神社へ参詣するというものである。また、つくば道には5つの地区があり今回の国民文化祭ではそれぞれの地区毎でイベントが企画されていたが、地区間合同で行なうものはなかった。そこで、地区を越えたイベントとしても大きな意味を持った。
  夜のつくば道めぐりを成功させるために、広い範囲での広報の協力、夜の歩行の安全面を考えて、既成団体の茨城ウォーキング協会に協力をあおいだ。

 提灯は北条地区と平沢地区の方から、普段はお祭りやお盆に使っているものを借用した。参加した人からは、やはり電気よりろうそくの光の方がつくば道にはふさわしいと好評だった。

 本番は11月8日で、夕方4時から北条の岩崎屋をスタートした。あいにくの曇り空で少々肌寒い日だったが、歩くには適度な気候となった。筑波山神社へと向かう時間は、ちょうど日が落ちる時間と重なり、段々と提灯の灯りが強くなっていく光景は、参加者にも好評だった。

ホーム > adp08 > つくば道ほたるプロジェクト