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旧筑波山郵便局プロジェクト

担当教員:安藤邦廣(教授・建築デザイン)
昭和14年9月に建てられてから今年でちょうど70年。日本の道百選のひとつである「つくば道」沿いに建つこの建物は、昭和50年に郵便局を引退して以降33年間閉ざされてきた。筑波地区を訪れる登山客や地元の人々もその魅力的な古民家の存在を知ってはいても、実際に中に入り、見学する事はほとんどなかった。しかし、「第23回国民文化祭・いばらき2008」をきっかけとし、この趣深い建物の再生を目指すこととなった。地元の人々の協力によって、旧筑波山郵便局はその利用価値を再認識することを目的とし、郵便局の用途を生かした企画の立案から改修計画などを行なった。当初の郵便局の佇まいを再現し、現代的なイベントの拠点とする上で、企画立案が大きな意味を持つこととなり、絵葉書の作成を主軸とした関連イベントを多数行なった。絵画専攻の教員・学生によるフレスコ画制作、竹灯籠などの夜のライティング企画とあわせ、多様なイベント企画を展開した。
年間スケジュール
2008.6
旧郵便局現地調査及び周辺探訪
7
企画・プレゼン
旧郵便局の改修
国民文化祭のためのイベント
8
旧郵便局の大掃除
9
プレゼン
図面制作
模型制作
外壁塗装色の提案
10
外壁塗装、バイオトイレの設置
畳の張替え、フレスコ画制作開始
絵葉書サンプル制作
展示パネル制作
11
「第23回国民文化祭・いばらき2008」
開催
 国民文化祭へ向けての旧筑波山郵便局再活用計画は、4月から7月にかけての現地調査から始まった。郵便局の調査で得た環境などの情報をもとに、国民文化祭本番での企画の検討が行われ、筑波に訪れた人々への思い出として、絵葉書を制作してもらう、という「山のはがき」プロジェクトが採用された。
  企画の実現に向け、8月には郵便局内の大掃除が行なわれた。それまで、前局長である家主の方の物置となっていた郵便局内には、文化祭本番で展示物として使われることとなった当時のお金やはんこなど、様々な道具が残されていた。
  9月には前局長を交えた地元の方への企画のプレゼンテーションが行なわれた。
  10月に入り、老朽化していた外壁の塗り替え作業や、局内の畳の張り替えが行なわれた。さらに郵便局周辺にトイレがないことから、新たにバイオトイレが設置されることとなった。局舎の脇からアプローチするバイオトイレは、周囲の雰囲気に馴染むよう木造の小屋を設計した。その屋根葺きには芝を使用し、循環的な要素を取り入れた。局内の壁には絵画専攻によるフレスコ画が描かれ、旧筑波山郵便局の再出発に祝意を示すものとなった。
  国民文化祭本番(11月1ー9日)、「山のはがき」づくりに加え、旧筑波山郵便局を紹介するパネルや局内に残されていた当時の道具なども展示され、訪れた人々の関心を集めた。
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