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大蔵の音楽祭プロジェクト

担当教員:安藤邦廣(教授・建築デザイン)
昨年度の北条岩崎屋プロジェクトに引き続き、筑波山の麓に位置するつくば市北条を拠点に行なったプロジェクトである。北条の町で、かつて醤油の醸造販売をしていた商家・宮本家にある、江戸時代後期に建てられた穀物蔵「大蔵」。今では物置きスペースとなってしまっていたこの「大蔵」を改修し、コンサートホールやギャラリーなどとして利用できる空間へと再生した。昨年度のプロジェクトにより完成した岩崎屋は、今や北条に訪れた人々と地元住民とを結ぶ交流の拠点として重要な場所となっている。このような北条の町に、「新たに芸術を通した交流の拠点となる場所を作る」ことを目指した。また、「第23回国民文化祭・いばらき2008」の期間中に、完成した大蔵ホールで全5日間にわたるコンサート「大蔵の音楽祭」を開催した。大蔵チームは、改修案の提案・可能な範囲での施工と音楽祭の企画・運営を行なった。
年間スケジュール
2008.5
北条見学
北条歴史探訪への参加
6
大蔵見学
実測調査
大蔵の音楽祭提案
7
祇園祭への参加
国民文化祭に向けた
会議にて予算案検討
8
大掃除
9
改修案決定
模型制作
地元の方々へプレゼン
ADP中間発表会
出演団体の決定
ポスター制作
10
外構計画、制作
改修工事
掃除
塗装
リーフレット制作
イスを貸して下さいプロジェクト
会場設営
11.1
-3,8,9
大蔵の音楽祭 開催
《公演日程》
1日 SPレコードコンサート
   /アカペラコンサート
2日 津軽三味線
   /フォルクローレ
3日 ジャグリングショー
   /『アラブの響き』(アラブ音楽)
8日 『ジャズディ』
   (ジャズライブ・ジャムセッション)
9日 『古いものを大切にしてきた人のためのコンサート』
   (チェンバロ、ヴァイオリン、フラウト、トラベルソ、琵琶、テノールによるクラシックコンサート)
大蔵の音楽祭
 大蔵の改修では、今後さまざまなイベントに対応できる空間づくりを目指した。2階の一部を吹き抜けにし、2階も客席として利用できるようにした。また、新設した階段は、舞台にも客席にもなり得るように幅を広く設計した。
  大蔵の音楽祭では、ジャンルの異なる全11公演のコンサートを行なった。全公演入場無料で、中庭にてカフェも提供した。
  公演を楽しみに遠方から訪れた方から、サイクリングの途中に立ち寄った方まで、各公演とも80ー160人を動員し大盛況であった。また、北条に住む方々の来場も多く、地元に対する関心の高さをうかがううことができた。
  出演者は、地元で活躍する団体、筑波大学サークルのほか、東京を拠点に、また世界で活躍する演奏家にも出演を依頼した。
  土蔵の温かな空間と生演奏との調和は素晴らしく、来訪者の満足度も非常に高かった。次回の公演を期待する声も数多く寄せられた。
  また演奏家からの、雰囲気・音響など音楽ホール≠ニしての評価は、再演を希望するほどの高い評価であり、更なる展開が期待される。
  本プロジェクトは、、音楽をはじめとする芸術活動を通しての交流の場として大蔵を活用していくために、非常に意義のあるイベントであったといえる。
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