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筑波メディカルセンター病院/龍ヶ崎済生会病院

ホスピタブル・イン・ホスピタル プロジェクト

担当教員:蓮見孝(教授・プロダクトデザイン)
大学キャンパス内の病院である筑波大学附属病院でアート&デザイン活動を行ってきた「.tud」「アスパラガス」などの活動を発展させ、今年は大学を飛び出し茨城県内の2つの病院を舞台に活動した。一つは筑波メディカルセンターArt Gallery Project チームによる検査室前通路での作品展示である。今年度は1年間にわたり「うたたね」展と「くるくる!はるくる!」展を実施した。もう一つは龍ヶ崎済生会病院での出張ワークショップである。11月11日に龍ヶ崎済生会病院が主催する「健康祭り」にて「はっつけ堂」を出店した。これまで大学内を中心に活動を行ってきたが、学内から飛び出すことで今までより多くの来院者や病院スタッフとアートやデザインを共有し、附属病院だけでなく様々な病院環境においてアート&デザイン活動を実施することができた。
年間スケジュール
2007.6
広報委員に向け
第2 回目プレゼン
第3 回目プレゼン
7
「うたたね展」
第1 回設置作業
8
第2 回設置作業
9

最終設置作業

「はっつけ堂」
企画開始
会場リサーチ

10

「くるくる!はるくる!」企画開始

企画についてのミーティング・準備
看護部との交渉・連絡

11
「うたたね展」
撤去作業
「はっつけ堂」出動
12
仮展示作業
1
「くるくる!はるくる!」
第1回設置作
2
第2回設置作業
3
最終設置作業
筑波メディカルセンター病院
 「うたたね」の名前の由来は、風にのって「うた」を届ける「たね」である。展示スペースとなる通路の壁一面に、風にのって次々と「うたたね」が実り譜面となっていく様子をイメージして展示した。フェルトの原毛を使用し、触感の良い「うたたね」を制作し、3 ヶ月かけて展示範囲を広げていった。展示場で「うたたね」の触感や印象に関するアンケートを実施したところ、来院者の方々から「元気をもらった」や「雰囲気がよくなった」など、好意的な意見を多くいただいた。 
  うたたね展の撤去作業を終え、1月からは第3回展示の「くるくる!はるくる!」展の企画展示活動を開始した。「くるくる!はるくる!」展では、春の訪れを喜ぶかのように展示物が淡い色から鮮やかなカラーリングへと3ヶ月間かけて変化していく様子を、空間を使って表現する。 
  今後とも、待ち合い室の空間が来院者にとってより心地よい空間になるよう、魅力的な提案を行っていきたい。
龍ヶ崎済生会病院
 「はっつけ堂」とは、写真を切ったり貼ったりして一緒に楽しむ仲間「はっつけ隊」の出張店である。今回は、龍ヶ崎の病院イベントに出店し、二つのワークショップを行った。一つは「はっつけ笑顔メダル」、もう一つは「はっつけコラージュ」である。 
  「はっつけ笑顔メダル」は、はっつけ隊がポラロイドカメラで撮った参加者の笑顔写真に、参加者自身が楽しく飾り付けをして最後にストラップを付けて完成。笑顔を自分の勲章にした。 
  「はっつけコラージュ」では、参加者とはっつけ隊が様々な写真を自由な形に切り、好きな場所に貼り付けをしてみんなで一つのコラージュ作品を作った。「祭り」というテーマのもとに制作したこの作品は、会場の龍ヶ崎済生会病院に寄贈し現在は病院の食堂にて展示されている。 
  これらの企画コンセプトは、写真を使ったアート制作による心の開放にある。写真のもつ「いま、ここ」という特質で、笑顔で写真に写った自分の実存感や、その場で出会ったひとたちと交わす一期一会の心のコミュニケーションを誘発することを目的とした。病院というアブノーマルな空間で学生というノイズが生み出すノーマライゼーションを試みた。
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