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石匠の見世蔵プロジェクト

担当教員:蓮見孝(教授・プロダクトデザイン)
本プロジェクトは2003年度に茨城県の石材業活性化事業から生まれた、「石匠の見世蔵組合」の石匠と学生のコラボレーション活動である。活動の中心地である桜川市真壁町は昔から良質の御影石が採れ、石匠が今も多く住む「石のまち」である。学生がデザインして石匠が制作した作品を、夏に真壁町の商店街で行われる「まかべ夜祭り」をはじめ様々なイベントで展示している。年々活動は活発になっており、5年目となる本年度は活動テーマを「石匠のまちの拠点づくり」とした。「石匠のゼミ」で作品を作ると同時に学生が3つのチームをつくり、来場者向けワークショップの企画、活動紹介ムービーの制作、展示企画など石匠と連携して「石匠のまちの拠点」としてのコンテンツづくりに取り組んだ。5周年という節目の年に学生が新しいロゴマークをデザインし、コンテナペイントやはっぴ等へと展開させていった。本年、活動が評価され「いばらきデザインセレクション」に選定された。
年間スケジュール
2007.5
イベントのプランニング
石匠との合同会議
役割ごとの制作物分担
第1 回丁場見学・石彫体験
6
作品デザイン
模型制作ワークショップ
石匠ゼミ決定
新ロゴマーク決定
7
展示デザイン
コンテナ清掃
第2 回丁場見学・石彫体験
いばらきデザインセレクション応募
8
はっぴ・ムービー完成
コンテナペイント合宿
イベント運営
まかべ夜祭り
石匠と協働での作品展示
ワークショップの実施
10
企画
パンフレット制作
ストーンフェスティバル
企画
いばらきデザインセレクション受賞
11
展示・ワークショップ
ストーンフェスティバル
農協祭
石をしつらえに使用したストーンカフェの試行
12
展示
つくば100 本のクリスマスツリー
作品をクリスマスツリー風にして展示
1
ワークショップ
創造ものづくり教育フェア
5周年記念冊子制作開始
2
イベント運営
真壁のひな祭り
「石匠のゼミ」とは…
 学生は石匠のゼミ生となり、デザインをイメージ通りに具現化するために、そして石の魅力を引き出すため、石匠と学生が意見を交わしながら「まかべ夜祭り」に向け制作を進めていく。
  まず石を切り出す現場(丁場)を見学し、その後石匠の工場で、丁場で見つけた石を自由に彫った。空気圧式ノミを使い、3時間ほどかけて花瓶や灰皿、オブジェなど思い思いの作品に仕上げた。この経験が石を知るきっかけとなり、作品へのインスピレーションを得ることにもつながる。
  後日石の作品を制作するために真壁町の公民館に集まり、アイデアスケッチや発泡材などを使った模型制作を行った。石の性質や加工についてわからないことを石匠に聞きながら進めていき、技とデザインの相性をお互い検討しながらゼミを決めた。
  制作活動においてもデザインの再検討を石匠と行い、活動が活発なゼミは工場に行って制作状況やそのプロセスを見て、石匠と学生が共に試行錯誤しながら作品を完成させた。
  ゼミ活動の集大成としての作品は「まかべ夜祭り」で展示し、作品について来場者に語る学生や石匠の姿が見られた。
  ゼミ活動により、普段は多くを語らない石匠と学生の結束が強くなる。このプログラムを石匠のまちの拠点として一般の人々にも提供できないか.これがゼミ活動の今後の課題の一つである。
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