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しもつまっぷ・空き店舗活性化プロジェクト

「まちなかにぎわい」プロデュース/しもつま物語化事業部(下妻事業部)

担当教員:渡和由(筑波大学助教授)
 「下妻物語」という映画で有名になった茨城県下妻市は、大学のあるつくば市の北西に位置する。その中心市街地は、一見、どこにでもある商店街のように思えるのだが、ここには価値を見出されていない、点在している資源が多い。地域住民でない学生がこれらの資源をつなげて活かすことでこのまちに「ストーリー(物語)」をつくろうと、マップの企画・デザイン、空き店舗を活用したイベントの企画・運営を行なった。 現地では、夏休みに炎天下で行なった1泊2日の合宿をはじめ、何度も何度も通って隈なく歩き、多くの貴重な話を聞いた。収集した情報から各自でアイデアを考え、見せ合い、他人のアイデアにさらなるアイデアを加味するという方法でマップやイベントの内容を検討していった。 完成前の仮のマップやイベント案は、学生が企画したワークショップで披露され、商店主を中心とした住民から意見を聞き、さらに改良を重ねていった。通り掛った本学志望の受験生も参加し、中高生は商店街から離れたショッピングセンターで遊んでいるという実態をこっそり教えてくれたのが、印象に残っている。ワークショップを踏まえ、空き店舗を活用したイベントとして、近隣の商店街が安売りを行なう期間にあわせ、一日だけ「カフェ」空間を演出した。この辺りには一息つける場所という場所がないのでずっとあったらいいのにという、うれしい言葉もあった。 最終的に完成したマップは、ベースとなる地図の上に2枚のトレーシングペーパーを重ねた、アイデアあふれるものとなった。サークル活動のように定期的に集まり意見交換し、楽しみながら一つにまとまって創り上げていった様子がマップからも伝わってくる。終盤になり、「卒業制作で下妻を扱うので参加させて欲しい」といった学生が何名か増えたが、この試みで、地域に通い続け、そこで活動をすることにより、それまで自分に関係のなかったまちに愛着を持つ学生が増えたことが証明できたように思う。 このプロジェクトは終わったが、来年度もこの試みを活かした取組みが何らかの形で残り、地域内にできた自主的な主体と学生によって、継続されることを望んでいる。
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