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小田りんりんロード壁画プロジェクト

「こどものためのアート&デザイン」プロデュース/こどものためのアート&デザイン事業部(こども事業部)

担当教員:渡和由(筑波大学助教授)
小学生に絵を描く楽しさを伝えながら、トンネルの壁画をプロデュースした。場所は、地域の生活道として、県内外の愛好家に自転車専用道として親しまれている「りんりんロード」にある、つくば市小田地区のトンネルである。 制作にあたり、夏休み前から小学校で何度かワークショップを行なった。絵を描くことが不慣れな子供達に対し、皆で協力して垂直面に描くこと等を前もって体験させることが最大の目的であったが、大学生側にとっても、子供達の絵から壁画案を考えたり、小学生の能力を知ったりするといった点で意義のあるものとなった。小学生から、「まりっぺ」「えいちゃん」「つむつむ」とあだ名で呼ばれていた学生達は、まるでアイドルのようで(実際にサインや握手を求められていた)、あっという間に子供達の心を捉えていった様子に小学校の先生方も驚いていた。 制作は11月末に行なわれ、急遽、地域にある保育所や高齢者施設からの参加もあった。はからずも幅広い年齢層の合作となった壁画は、温かみのある花や木々で彩られ、それまで頻繁にあった落書きがなくなったと聞いている。 この取組みを多くの人々に知って欲しいという学生の強い思いから、翌年の夏休みに市内の市民ギャラリーで「つくばこども壁画展」を開催した。9日間の会期ではあったが、会場の周辺に住む小学生を中心に約700名以上の来場者があり、「子供に絵を描く楽しさを伝える活動を是非続けて欲しい」という親や教育関係者の声を聞くことができた。会場では多数展示された絵に触発されたのか、「ぼくも、わたしも描きたい!」と夢中で絵を描く子供達の姿を何度となく目にした。壁画制作時だけでなく、展覧会でも絵を描く楽しさが伝わったようで、子供達の笑顔の中で「(展覧会準備の)疲れが吹っ飛びました」と学生の心からの笑顔を見ることができた。
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