2012年06月29日

 

初めまして、こちら『biolet』です!


初めまして、こちら里山拠点整備プロジェクトです。

kominka

私たち安藤プロジェクトは今年、使用されなくなった古民家を移築し、地域のイベントで利用するための拠点を整備することになりました。母屋の古民家の整備は、建築領域の学群4年生が授業の一環で整備することになり、私たちADPのメンバーは離れの水回り施設(お手洗い、シャワー)を担当しています。

borne 水回り施設の骨組みです。

 

●『biolet』――息づくトイレ、芽吹くシャワー

今回、水回りを整備するにあたってトイレにはバイオトイレ、シャワーには使用した水を浸透枡で浄化する仕組みを採用することになりました。また、水回り施設の骨組みは以前イベントで使用されたものを再利用します。

廃棄物を出さない、すべてを自然に浄化するということをテーマにこの施設を『biolet』と名付けました。どうか、この名前と親しんでくださいませ。詳しい仕組みは以下の通りです。

 

・バイオトイレ『息づくトイレ』

バイオトイレとは便器の底におが屑があり、排泄物を微生物が自然に分解、最終的にはたい肥になるという仕組みのトイレです。自然分解の為に臭いはせず、使い勝手もとてもよいものとなっています。

私たちが排泄したものを、汚物として処理するのではなく、あくまでも自然に浄化する。そしてまた生物のサイクルに還してゆく。このトイレによって私たちは大自然のささやかな息遣いを感じられるのではないでしょうか。そういった願いを込めて『息づくトイレ』と命名しました。

 

・シャワー『芽吹くシャワー』

これは農作業で汚れた身体を洗うための施設です。使用した際に発生した下水はすぐ隣にある“浸透枡”へ貯水されます。そこで動植物の力も借り、下水は時間をかけ浄化され地中へ染み込んでゆく仕組みとなっています。その為に使える石鹸は植物由来のものと限定し、あくまでも簡易的に身体を洗うことを仮定して設置します。

『息づくトイレ』と同様、発生した下水を自然に還してゆくという点でこちらの方は『芽吹くシャワー』と命名させていただきました。

また、洗い場には小屋の一角で栽培したへちまのスポンジを設置しようか検討中です。

 

●『biolet』 デザインコンセプト

水回りのみの比較的小規模な施設のため、学生一人ひとりのアイディアを集約して、趣向の凝らした空間を作り出そうと検討中です。

外装は比較的シンプルに、内装は和を基調としたデザインでまとめようと思案中。今はまだ各自自由にデザインを考え、それを検討している状態です。古民家移築の際に大量に出てくるであろう廃材を利用し、内の照明具や棚などを制作しようと考えています。

・芝棟プロジェクト――登れる屋根

 「芝棟」とは茅葺屋根の棟仕舞の一種です。普通の茅葺屋根は軒から上に(棟)に向かって葺きあげていきますが、芝棟は葺き終わり(屋根の一番上)に、芝土をのせて、その重さで屋根を押さえ同時に雨漏りを防ぎます。更に乾燥に強く根張りのよい植物を植えて、補強した屋根のことです。

 屋根の角度が緩やかなために、はしごを設置し、屋根の上に登って植物の世話ができるような個性的な屋根を考えています。

 乾燥や日照りに強い植物を調べたり、地元の方からお話しを聞いて、アイディアの詰まったものを作っていきたいと考えています。

  以上、全体コンセプトの説明でした。メンバー全員が真剣に、そして何より楽しんで『biolet』を創り上げていく所存です。

 これから1年間、どうかよろしくお願いします。

 今週日曜日には解体現場見学、また地域の里山復興プロジェクトに参加してくる予定です。更新情報があり次第、随時活動報告をしていきます。


里山拠点整備プロジェクト

サムネイル画像

プロジェクト概要

安藤先生のプロジェクトは毎年「つくば道を開く」というテーマに沿って、活動しています。今年度は筑波山の麓、田井という地区で里山体験のための拠点整備を行います。自然豊かなこの土地で里山に関わる人達のために環境を整えるのが目的です。

 

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