日本で2番目のMuquarnas?


イスラーム建築を代表する意匠ムカルナス(Muquarnas)の模型を授業で作成しました。イスラーム建築の特徴の1つはドームですが、ドームの平面が円形なのに対して、部屋の壁は四角形で、そのままではうまく支えられません。ドーム部分は壁を多角形にして支えます。平面を四角形から徐々に多角形へ移行させる、隅部の造形がムカルナスです。ムカルナスの形は複雑ですが、基準寸法と角度と三角形の性質という明快なルールから生成します。精巧な根本原理からの形の生成、というのは神の介在の徴としてイスラーム建築のみでなく、ゴシック建築でもヒンドゥー建築でも同時代的に探求された核心的テーマでした。
授業でイスラーム建築が論じられることは稀で、実際にムカルナスを作ったのは日本で2番目のように思います。はじめての経験にもかかわらず、3年生、4年生は、驚くほど手が動き、頭がきれていました。模型作成に際しお知恵をいただいた、深見奈緒子先生、宍戸克実先生には感謝申し上げます。