【活動報告】トヨタのデザインセミナーに行ってきました 前編
先日八王子にある、トヨタデザインセミナーにデザイン専攻3年生の4人が一週間行ってきました。そこで得た事そして経験した事などを二回に分けて報告したいと思います。
トヨタデザインセミナーは東京の八王子にある、トヨタの東京デザイン研究所にて行われました。電車の駅を降りてから徒歩約10分、小高い丘の上の樹木が生い茂っているその中に東京デザイン研究所はありました。
扉をくぐってまず目に飛び込んできたのは、愛知万博でも走っていたiユニットとその発展型の車両です。その様子にわくわくしながら実際のセミナーが行われる講義室に入っていくと、そこにはこれから数年か十数年先に世の中に出るであろう自動車のモックアップやパネルが展示されていました。そしてその部屋には様々な大学や専門学校からセミナーを受ける学生達がいました。20〜30人ほどでしょうか。これからこのメンバーで1週間セミナーを受けるのです。緊張をしながらもセミナーは始まっていくのでした。
初日はまずプレゼンテーション部屋に移動し、トヨタ自動車がどんなデザインをするのか、そのポリシーは何なのかなどの説明を、スライドを交えてのオリエンテーションから始まりました。僕はここのオリエンテーション度肝を抜かれてしまいました。というのもスライドでの説明が終わったかと思うと、壁一面を覆っていたスクリーンが横にスライドしていって、その先には壁目一杯一面のガラスが。そしてそのガラス越しに見えるのはレクサスブランドのハイエンドモデルであるLF-Aが展示されていたのです。しかも電子レンジのターンテーブルのようなものの上に乗っていて、ゆっくりと回っているのです。かっこ良すぎる演出に「おぉー」という声も漏れているほどでした。
オリエンテーションが終わると今度はデザインスタジオと工房に移動しました。デザインスタジオは外から実際にトヨタのデザイナーさん達が仕事をしているところを見ました。デザイナーさん達が実際に仕事をしているのを一枚のガラス越しに見ていたのですが、見ている距離は近くとも、そこにあるガラスの壁がものすごく厚いものに感じられました。でも「いつかここのデザイナーになってやる」という他の学生の雰囲気を感じると、自分ももっと頑張ろうという気持ちに自然となりました。工房ではクレイモデラーさんたちが実際に1/1スケールのモックアップを削っていました。5人で粘度を削ったり、くっつけたりの作業を丹念に繰り返していました。モデラーの人達は自分の道具は自分で作るそうです。また、もはや職人技と言ってもいいようなその削りさばきはとても美しいものでした。
デザインスタジオと工房の見学が一通り終わるとプレゼンテーション部屋に戻り、僕らの年代で、どのくらい練習を積むかで将来の伸びしろが変わってくる事、そもそも人間が動く事移動するという事がどういうことなのか、など非常に興味をそそられるような内容のレクチャーをうけました。それにしてもレクチャーをしてくれたトヨタのデザイナーである菅原さんのトークも本当に素晴らしいものでした。一見難しそうな話でも、他の分かりやすいものに例えてとても分かりやすくレクチャーしてくれるのです。やはり第一線で活躍されているデザイナーさんはプレゼンテーションも一味違うな、と思いました。
セミナーの初日だけでものすごい体験をさせてもらい、記事を投稿したのですが、長くなってしまったのでこの続きは後編に書こうと思います。それでは。
※この記事は、機密事項を守るためトヨタの方にあらかじめご確認いただいた上で投稿しております。
[デザイン専攻3年 T.S.]