Details

TITLE :

FURO×FOCUS

CREATOR :

安 みゆき

About

「風呂」を「照らす」ことについて、それぞれについて考えた。まず、「風呂」についてだが、目的や背景を除いて単純に「湯に体を浸ける行為」として抽出した。「照らす」ことについては、光を用いて演出する、というように解釈した。そこから新たな魅力を見出して「照らす」ことで、その魅力を助長し、新しい風呂の捉え方のできるものを提案した。そして「湯に体を浸ける」という行為をより俯瞰して考えるために対象物を変えて考えると、例えば「茹でる」 というような行為がある。茹でると色鮮やかになるイキモノは多い。そこで、もしかしたら人間も風呂に浸かることで色鮮やかになっているのかもしれないという可能性が浮かんだ。この可能性を「照らす」ことで風呂の新たな魅力になる。そして、先ほど述べたようにこの魅力を演出し、「風呂を照らす」とする。

それを具体化させたものとして、今回のfuro×focusを提案する。

使い方は、大きな浴槽に置いて使う。ステージ、舞台のように板の上へと目線を集めて演出する。そのため、本人は台の上に寝て寝湯のように風呂に浸かる。他の人は離れたところから台の高さと目線が同じ場所で観る。そして、この装置から得られる「照らす」ことでの視覚的効果として、本人と他人の2つの視点に分けている。まず本人の視点では、台を囲む面に取り付けられた鏡面に、光と光に照らされた自分の体のパーツが映る。また他人という視点では、目線の先に頭部、手、足がフレーミングされて見えている。浮かび上がるように光と鏡の反射で演出がなされる。上部の鏡面から本人が見ているものと同じものが共有される。このように、風呂に入る人間を照らす舞台装置を製作した。