【行事紹介】ふいご祭

11月23日、芸術学系棟工房にて「ふいご祭」が開催されました。この行事は、ものづくりを学ぶデザイン専攻の皆の安全と成長を感謝・祈願するために、毎年行われています。例年3年生が主体となって、デザイン専攻の学生や先生方、OB・OGの方々などを招待したり、懇親会の幹事や準備をしたりしています。昨年度は幹事側だった私たち4年生も、今回は気楽に楽しませていただきました。
また、毎年3年生の中から選出されることがお馴染みとなっている「神主さん」役ですが、今回は新しくプロダクトデザイン領域の先生となられた山田先生が神主役に。
儀式が終わると、次は懇親会です。今年は大学会館レストランの「プラザ」が懇親会の会場だったので、歩いて移動することができました。立食形式で、テーブルにはパスタやおでん、サンドイッチなどが並びます。五十嵐先生による乾杯の音頭で、懇親会が開会されました。
会場内は、OB・OGの方々との久々の再会や、新たな出会いで盛り上がっていました。私も、お世話になった先輩方と久々にお会いしました。仕事のこと、大学院のこと、思い出話…いろいろな話が浮かびます。お話している間、先輩方がご在学されていた日々を振り返り、懐かしく思いました。それと同時に、それぞれの場所でご活躍されている先輩方のお話しぶりから、時間が経ったなと実感しました。私達は1年後、どうなっているのでしょう…先輩方のように、ふいご祭で再会できる人はどれくらいいるでしょうか。企業に就職する人、学校の先生になる人、大学院に進学する人…。出身も進路もバラバラな私達は、大学を出るとなかなか集まることが難しいのだろうなと思いながらも、楽しい時間は過ぎていくのでした。
懇親会が終わり、参加できる人は2次会へと向かいました。悩んでいることについても、人に話せば思いがけずすんなりと道が開けることだってあります。いろんな人の話を聞いて、聞いてもらって、他愛のないことで笑って、ちょっと考え込む。こういった機会が実はすごく大事なのだろうなと思いました。
この日のために、時間をかけて準備をしてくれた3年生の皆さん、ありがとうございました。[デザイン専攻4年 M.I]

今年もお祈りをします。

今年もお祈りをします。

大学会館レストラン「プラザ」にて、乾杯!

大学会館レストラン「プラザ」にて、乾杯!

おでんもありました

おでんもありました

 

【活動紹介】日本デザイン学会秋季企画大会

11月17日、実践女子大学にて日本デザイン学会秋季企画大会が開催されました。学会各章授与式、基調講演、パネルディスカッションや学生プロポジション展示等があり、筑波大学・大学院からもデザイン専攻や感性認知脳科学専攻の学生、研究生ら5名が参加しました。学生プロポジション展示では、60名近い学生の研究や作品を観ることができました。展示中は常に発表者がポスターの脇に立ち、プレゼンテーションを行っていました。自らの研究について展示をした学生からは「初めは緊張もあり、なかなか相手に上手く話を伝えられなかったが、プレゼンテーションの回数を重ねるうちに要点をまとめて話せるようになってきた」「プレゼンテーションを行い、質問を受けたり、他の人の意見を聞いたりすることで、自分の研究についてより深く考えることができた」「様々な分野、視点からの研究が並び面白かった」といった感想を聞くことができました。
また、Kun Pyo Lee氏、浅香 嵩氏による基調講演、山崎 和彦氏、有吉 司氏、田中 浩也氏、中川 聰氏、高橋 義則氏によるパネルディスカッションも行なわれました。いずれも、これからのデザインについて考えるための良い機会となったと思います。
「良いものを皆に」供給するための大量生産の時代、私たちは満足と同時に不安を得ました。大量生産の時代は、ユーザー像の平坦化、作る人と使う人の分離、大量消費による大量のゴミを生んできました。「新世紀になって始めの10年は前世紀をひきずる」と言われるように、2012年も終わろうとしている今、20世紀的な考え方から切り替わる時期にあります。これからは、すでにあるものを、うまく使う時代でしょうか。また例えば、家庭用プリンタが普及したように、3Dプリンタの普及が期待されています。これが示すのは、アイディアさえあれば誰もが簡単に「ものづくり」に参加できる時代。製品が「小さな工場」でできるのなら、市場の規模を小さくし、限定されたユーザーコミュニティの中で柔軟に展開させていくことも簡単になります。壊れた製品のパーツも、3Dプリンタを使って簡単に出力できるため、個人でも簡単に修理ができるようになります。そこでいかに修理するか、「リペアのデザイン」が発達する時代。…様々な可能性が広がりますが、どれもこれからのデザインや製品の在り方の一つでしょう。他にも印象的なお話が多々ありました。自分よりもすごい、と思える人に出会って圧倒されることもよくあります。ただしそこで真に理解していくには時間が必要であり、話していくと本当にすごいところも、改善点も冷静に見ることができるようになるのだということ。常に小さなイノベーションを重ね、新しい道を行くことが大切であるということ。……
来春5月の同春季大会は、筑波大学で開催される予定です。新しい考えとの出会いを楽しみにしています。[デザイン専攻4年 M.I]

ポスター

ひらめきの集まる場所

学生プロポジション展示

学生プロポジション展示の様子

講演

講演の様子。壁にはポイントをまとめたポストイットが。

 

【授業紹介】デザイン専攻 卒業論文発表・審査会

10月4日、大学会館総合交流会館マルチメディアルームにて、デザイン専攻4年生の卒業論文発表・審査会が行われました。今年はプロダクト、情報、環境、建築デザイン領域を合わせて27名の学生が発表しました。発表時間は1人につき6分。その後質疑応答の時間に7分ずつ割り当てられていました。これまでの「デザイン基礎演習」や「デザイン演習」の授業とは異なり、先生方から与えられるテーマはありません。各自で研究したいテーマを見つけ、各ゼミや「木ゼミ」で発表(テーマ発表会中間発表会)し、改善を重ねてきました。今回の発表・審査会はその成果を先生方や他の学生たちに見てもらうための重要な機会です。6分ギリギリのプレゼンテーションからは、緊張しながらも、この日のために何度も練習を繰り返してきた真摯な様子が伝わってきました。
質疑応答の時間には、発表者の専攻領域だけでなく、プロダクト、情報、環境、建築デザインの各領域の先生方からご意見をいただきました。ここで先生方からいただいたご意見は、その時の発表者だけでなく、他の多くの学生にとっても気を付けておくべき内容だったと思います。明確にしておくべき定義を説明できているか。研究のゴールは何なのか。誰のため、何にするためのものなのか。この日の発表に至るまでに、研究の大枠となる考えから実験時の詳細な設定まで、研究を進める上での「選択」をするポイントが多々ありました。人によっては、自分のやっていることには意味があるのだろうか?ちゃんとした結果が出るのだろうか?と、気持ちが揺らぐことが何度もあったことかと思います。そんな時、初心に帰って自分の研究したい内容を振り返り吟味しつつ、それぞれの研究のテーマや目的に適った選択をしていくことで、目的と方法に矛盾をなくし、素直に進めていくことができるのだろうと思いました。
卒業論文の発表が終わり、ほっと一息つくデザイン専攻の4年生たち。しかしそれも束の間…すぐに卒業制作が始まります。10月中旬には各領域のゼミにてテーマを決め、12月6日には各領域合同での卒業制作の中間発表・審査会にてしっかりとした卒業制作のテーマを発表します。また、今回発表したの卒業論文は、2月につくば市のつくば美術館で開催される「卒業制作展」の後期展にて読むことができます。お越しの際はぜひ、卒業制作と併せてご覧ください。

[デザイン専攻4年 M.I]

卒論発表・審査会が始まりました。

卒論発表・審査会が始まりました。


研究対象も人それぞれで、とても面白いです。

研究対象も人それぞれで、とても面白いです。


質疑応答の時間です。

質疑応答の時間です。


【授業紹介】卒業論文中間発表会

7月5日、デザイン専攻4年生による卒業論文中間発表会が行われました。場所は6A306教室です。この日は天気も良く、本格的に夏の暑さが身に染みる中での発表となりましたが、先生方やデザイン専攻の4年生は勿論のこと、他にも多くの学生が訪れていたため、教室は満員でした。以前紹介した「テーマ発表会」の時のように、1人3分の持ち時間で、スライドを用いて発表します。今回は各ゼミや「木ゼミ」で発表してきた、現時点での研究成果をまとめて発表しました。様々な参考文献を読んでまとめていたり、数々の模型を制作して実験を行なっていたり、アンケートや実地調査を始めていたり、調査に向けて準備をしていたりといった報告を聞くことができました。それぞれ進めている内容が異なるため、悩むポイントも様々です。他の事例ではどうなっているのか。調査することで分かると期待しているものは何なのか。研究の目的と、調査の方法にずれが生じていないか。調査対象や研究そのものが、どういう位置付けのものなのか。先生方からたくさんのご講評をいただき、また熱心に語る学生も多く、発表は全体で3時間半近くに及びました。一心に研究を進めていくうちに、自分でも何を研究しようとしているのか、何を考えていたのか、実は曖昧になっていることもあります。ここで一旦まとめて発表をすることで、自分の考えをはっきりさせることができるかと思います。現時点での研究の問題点やこれからの方針について、先生方や他の学生と真剣に話し合っている4年生の姿も見られました。卒業論文で研究した内容がダイレクトに制作に関わってくる学生もいるので、ここできちんと詰めておく必要があります。7月4日から、筑波大学では他大学より一足お先に夏季休業に入りましたが、4年生にとっては頑張り時です。就職や進学で悩んでいる学生もいますが、この卒業研究が最初で最後の貴重な研究になる学生も多いはずです。さて、3年生の後半から少しずつ考え始めてきた卒業論文ですが、提出日は9月27日と、残り3か月を切りました。また、提出した論文について最後の発表を行なう「最終発表会」は10月4日となっています。それまでしっかりと、悔いの残らないよう臨みたいところです。

[デザイン専攻4年 M.I]

教室は満員でした

教室は満員でした


卒論中間発表中

卒論中間発表中


スライドを使って説明

スライドを使って説明


【授業紹介】デザイン基礎演習1 最終プレゼンテーション

6月29日に、デザイン専攻1年生にとって最初の期末発表会となる「デザイン基礎演習1 公開プレゼンテーション」が行われました。開催場所はお馴染みの6A306教室。今回の発表のテーマは、プロダクトデザインと情報デザインの課題「ヘルスケアデザイン~2020年の高齢者の健康な暮らし~」でした。発表の持ち時間は1人3分で、30分を1セッションとし、間に講評を挟みながら3セッション行われました。
今回は、パワーポイント等のスライドを用いずに発表することが条件となっていたため、それぞれパネルと模型を制作して臨んでいました。毎年、この「デ基礎1」の最終プレゼンテーションに与えられた準備期間は約1カ月と「デザイン演習」等の課題より短期間ながらも、よく調べつつ制作に取り組むことができていたと思います。先生方からたくさんのご講評をいただきました。「プロダクトを使用している図や、スケール感、構造等を示すことで、プレゼンテーションの説得力を高めることができる」「プレゼンテーションの時間は限られているので、それが何であるかを、パネルで端的に表すことが大切」「なぜその形状にしたのか?なぜ良いと思うのか?といったことを、相手に伝わるよう説明できると良い」「模型も見せ方の工夫次第で変わってくる」等…。柔軟な発想ができるからこそ、それを相手に伝える手段が大きなポイントになります。いろいろな課題に取り組んでいく中で、そういった「伝える」ための技を身に付け、武器にできると良いと思います。また、「デザイナーは夢を持ち続けなくてはいけない。途中で諦めたり、捨てたりせずに、自分の夢を持っていてください」といったお話もありました。そのアイディアと表現力で、夢のある未来を人々の目の前に提案することは、デザイナーの担う大切な役割の1つであるように思えます。
全ての学生の発表が終わると皆で投票を行い、上位3名には賞品が贈られました。まだプロダクト・情報・環境・建築といった各領域に分かれていない1年生は、これからの「デ基礎」で環境デザインや建築デザインの課題にも取り組んでいくことになります。いろんな課題を進めていく中で視野を広げ、新しい知識を身に付けることは勿論、自分がどの領域に進むかということも考えつつ、今しかできない発想をどんどん伸ばしていってほしいと思います。
[デザイン専攻4年 M.I]
パネルの準備中

パネルの準備中


皆の前でのプレゼンテーション

皆の前でのプレゼンテーション


パネルや模型を使って説明

パネルや模型を使って説明