【新設授業ご紹介】プリントデザイン のための実践演習(製版・プリント・講評編)
2021年度から開講されたプリントデザインを制作する演習授業のご紹介・後編となる本記事では、ドローイングを元にパターン構成を仕上げた後の、シルクスクリーン方式でプリントデザインを起こす過程からご紹介します。シルクスクリーンは孔版形式の代表的なプリント手法であり、表現したい図案以外の部分を乳剤で固めた版を作成(製版) した後、刷りで孔部からインクが通過し転写されます。
製版
まず、1 リピート分の図案を透明フィルムに出力(あるいは遮光性の画材で直接描画) し、版下とします。
シルクスクリーン版には水性の感光乳剤を塗布し、乾燥させます。
そして感光機に版枠と作成したフィルムを重ねてセットし、紫外線を照射した後に洗浄を行い、製版は完了します。
プリント
プリント作業では、黒色の顔料を用いた一色刷りで、4mほどのリピート柄を捺染しました。
まずは捺染台に布生地を張り、リピートを測るための器具を取付けた版をセットし、等間隔にプリントしていきます。
そして大判のスキージで全体を刷り上げていき、版は速やかに洗浄します。
一連の作業を学生間で協力し合いながら、全員のプリント作業を無事に完了しました。
最終講評
最終講評会では、6A203 及び208 にて全員の作品を展示形式で一堂に並べ、各自プレゼンテーションを行いました。
それぞれのプリント生地は皆違った魅力や世界観を繰り広げ、壮観な空間が生まれました。
これらの生地は、ファブリックパネルやクッションカバーなど、さらに新たな形へと展開することができます。大判プリントデザインを制作する授業は初年度であり大変な部分もありましたが、皆が各工程で協力し合うことで実現できました。ドローイングからパターンを構成し、さらにデザインとして形にすることは、道のり長く大変難しくもありましたが、達成感の大きさもその分得られます。総じて、非常に学び多き授業となりました。
[構成領域3年 R.O.]
(前半記事「ドローイング編」はこちら :https://www.geijutsu.tsukuba.ac.jp/kosei/5073/)
担当教員:大友邦子
授業名:実験造形演習
(2022年度以降「平面構成総合演習」+「プリントデザイン演習」(春学期)での開講内容となります。)