Details

TITLE :

お尻ランプ風呂椅子

CREATOR :

百木 千尋

About

温泉施設や銭湯といった大衆浴場では、洗い場は多くの場合一列に配置されており、利用者はそこに並び身体を洗う形となる。本演習の課題にあたり私は上記の場を想定し、風呂椅子をもとに製作した。

大衆浴場の洗い場というのは多数で利用するものであり、家庭のものとは異なっている。シャワー等の設備は複数が一列に並び、利用者はそこに座って身体を洗い湯に浸かる流れとなる。この洗い場での光景というのが思い直すと大衆浴場での特異な光景ではないかと感じ、この光景にテーマである「てらす」という要素を付加した更に目に面白い空間を演出できるものを考えた。

考えのもと、形となったのが「お尻ランプ風呂椅子」である。座った利用者のお尻部分を「て(照)らす」機能を持つ。光を透過し強度のある素材の本体と、その座面裏の部分に照明を取り付ける。この風呂椅子の座面の上に座ると本体裏の照明が点灯し、利用者のお尻がぼんやりと照らされるというかたちになる。風呂椅子が点灯する仕組みとしては、卓上照明のようにタッチセンサーを風呂椅子に組み込み利用者が座った瞬間に自動で内部の照明が点灯する仕組みで考えている。椅子の座面は窪みをつけ、座った時お尻にフィットするような形にした。風呂椅子のカラーリングは白や乳白色といった清潔感のある色で、照明はオレンジ色など温かみのある光を発するもので考えている。椅子は泡をイメージした造形で、本体も普段使うような風呂椅子とは異なった形にし、照明点灯時の照らす演出だけでなく昼間の明るい時間帯でも面白さを加味できるようなフォルムにした。重さは一般の風呂椅子程度で、使用が終われば積み上げてもらえれば良い。