未確認飛行物体

粟饅頭

記憶は流動的なものであると思います。柳津を来訪した際には鮮明だった景色の輪郭も、時の流れとともに少しずつ歪んでゆき、いかようにでも変幻してしまいます。この作品は、そんな記憶の「歪み」に焦点を当て、私の記憶の中では今にも動き出しそうな柳津のカタチを写真の陳列で魅せたものです。その街で暮らす人々にとっては日常の中で見慣れたものも、外部の人間の目には新鮮に映ることがある。そんなことを考えて街を歩きながら見つけた「不思議なカタチ」と「美しいモノ」を3つ選出し写真に収めて加工しました。特に3つ目の「未確認飛行物体」は、関西出身の私は今まで見たことがないもので、来訪後に幾人かに尋ね詳細を調べたもののその正体は未だ不明です。おそらくその土地の気候や環境条件に関連して作られたものではないかと考えていますが、同じ日本でも地域によって家の作りや公共道路の仕組みが異なることにはとても面白さを感じました。外部の人間の目に映った新鮮な景色を通じ、見慣れた柳津の違う顔を知る機会に繋がれば幸いです。

構成領域 原叶夢

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