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13.多元文化社会
日本では、多元文化教育は馴染まない概念である(岩野,1992)。美術のカリキュラムや日本の近代生活の特色である日本-西洋の二重性は、生徒が教科の多元主義的概念と共に成長していることを意味している。しかし、そのような見方は単純である。そこには、二つの文化しかない。日本と西洋以外の文化は無視されているのである。
二文化性は、日本の国民が、明解かつ実際的に民族的な同一化や技能、そして、行為を持っていることを意味している(バンクス,1988)。私の調査結果では、文化的借用の歴史にも関わらず、日本人はユニークな国民的芸術遺産と同化の考え方に付いて同意していた。このことは、例えば、民族美術の伝統の継承や専門的な美術論と実践におけるユニークな日本の美術の概念、例えば、質素な上品さと収斂性である「渋み」や優雅な簡素性を持つ「幽玄」という、室町以来芸術家によって完成されてきた控えめな深い感動的な美のパターン(スパーク,1987,川北,1974
)、そして、日常生活における美の中に明らかであった。
もしも、私がA中学校で目撃したことが典型的なものであるとすれば、美術における国のアイデンティフィケーションや関連する市民的能力は、学校の正規の美術教育において大きな意義を持ち得ないことになる。しかし、それらは、道徳のカリキュラムの焦点であったし、そうありうるべきものであった。それらは、生徒の学校生活において指導上重要な時期に、奈良や京都のような歴史的、文化的に興味深い場所へ義務的な修学旅行にいくことを含むものである。A中学校の美術教師は、日本のアイデンティティや遺産について、特に注目する学習機会を明らかに与えている修学旅行を組織する重要な役割をになっていた。
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