8.勤勉な文化

 日本の教師や生徒は、英国や北米の教師や生徒よりも、年間や一日の授業時数が長い(ホワース,1990,p.41)。

 学校の全ての時間は大変アカデミックであり、カリキュラムは全生徒同一である。このような抑圧にも関わらず、A中学校では、教師から生徒に至るまでノルマ(norm)を果たすために100%の取り組みと努力を行っているようであった。英国や北米の同じような教師と比べて、B教諭の収入は比較的良い。しかし、多くの東アジアの国々において、教えるということは生涯をかけるということと学習とを含む、大変尊敬される仕事であり、また、これまでも常にそうであった。そのうえ、学問的な信用状は、日本の現代生活において最も追求されている価値観である。(ホワイト,1987,p.82)。教えることは本当に大変であるという一般の教師に対する社会-文化的通念があるが、B教諭のような日本の美術教師は、実際に幸せである。このようなことから生じる勤勉な文化は、受験科目にはない美術のようなものまで含めて、日本の学校の全ての局面に及ぼしているように思われる。


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