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2.美術室の設備
美術室は二階にあり、二つの普通教室大の部屋の真ん中に収納室がある形式のもので、長机とコンクリートの流し場を備えていた。私の観察ノートによれば、「B教諭の美術室は、ホームルームと殆ど同じ位に簡素なものであるが,全く同じというわけではない。特別教室の整備としては、作品乾燥棚、平面作品の収納棚があるだけである。作品展示用の特別な施設、設備はない様であった。黒板の上の壁には、生徒への訓示として、<美を感じとり、美を語り、美を表す。大切なことは想像的になること>である、といった意味のことを書いた日本語の標語が貼られている。視覚的な刺激となる大人の美術作品は、デューラーの素描が複製で二枚、その他、一枚の風景画と一枚のアメリカ現代版画が飾られているだけである。また、日本の「国宝」(奈良、京都の寺院からの仏像の顔面)を石膏でかたどったもの五点と生徒の絵画作品が何枚か
壁に貼ってある。
真ん中の収納室は、美術準備室としての役割も果たしている。間に合わせの本棚のある三つの机と、電話、コーヒー沸かしが、窓際にあり、ビデオ・レコーダーと移動用スクリーンが反対側の隅に置かれている。残された両壁際には、戸棚類が置かれ、一方の棚には、生徒の作品と教科書類が収納されており、もう一方の棚には、セット教材、教具が収められている。そして、折り紙や切り紙デザインの作品が頭上の糸の上に留められている。
廊下には、埃をかぶった収納棚,戸棚があり、ガラス戸棚の中の美術雑誌や教科書類、静物の題材(瓶、石膏の手、動物、ギリシャ彫刻の首像)などは、全て数年間使用されていない様に思われた。また、手動の糸鋸切りの機械を生徒が教師の監督もなく使用しているのを見て驚かされた」と記録されている。
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