ハンソンの制作工程として、実際のモデルによる人間から型を取って制作されています。主な作品素材として、UP樹脂とガラス繊維を補強材としたFRPが使用されています。もしくは、ポリ酢酸ビニル(非中毒性)を注型しています。FRPの場合、外部着色による着彩が施されています。ポリ酢酸ビニルの場合、注型する前に微量の油絵具とパラフィンワックスを混ぜ合わせ、内部着色を行って型に流し込み、成形しています。硬化後、型から取り出された成形品は、更に彩色を施こされて肌理の表現がされています。ガラス製の目玉をはめ込み、カツラと服、アクセサリーや小道具を装着させて細部までこだわった演出がされています。

H.ブッシュ・マーティン、トーマス・ブッフシュタイナー、
『デュエイン・ハンソン スカルプチャー』、カンツ・ベルラグ社、1990年、p.33.
(Martin H.Bush, Thomas Buchsteiner,Duane Hanson Skulpturen, Edition Cantz Verlag, 1990)

ライフマスクの成形。鼻呼吸するため、鼻にストローを入れる
カーク・ヴァルネドー、『デュエイン・ハンソン カーク・ヴァルネドー著 』、ハリー・N.アブラハム社、ニューヨーク、1985年、p.39.(Kirk Varnedoe, DUANE HANSON By Kirk Varnedoe, Harry N.Abrams,Incorporated, New York, 1985)