

あいうえお
企画・デザイン:宮原克人
漆芸制作:木曽地域地場産業振興センター
協力:楢川小学校、贄川小学校
設置:楢川村保健センター 2000
漆芸技法 30×30×6cm 55枚による構成
木曽漆器の産地である楢川村(現塩尻市)より、保健センターの壁画制作の依頼を受けた。エントランスホールに設置される壁画は、たくさんの村民の目に触れる。
地域文化の漆を核にして壁画を制作する企画を作った。楢川小学校と贄川小学校に、あいうえおのそれぞれの文字から始まるモチーフのスケッチを依頼した。スケッチを集め、55枚のデザイン画を作った。
それを様々な技術を持つ、職人へ制作の依頼を行った。漆器制作に携わる職人は減少している。今ある技術をこの壁画に集結する意図もあった。
漆器産業は分業制である。木地、彫刻、曲げ物、下地、上塗り、沈金、蒔絵など、それぞれが専門の職人として様々な技術を持っている。その技術をこの壁画に集め、後世への贈り物とした。

児童のスケッチ:これらのスケッチの面白さは、児童の視点にある。羽の模様に興味を持ち描かれたスズメ。模様を表現するため上からの見ている。そのためか脚が4本になっている。部分ごとに完結する形で描き、その集積で描かれたイヌ。独特なリズム感をもつ。一筆で丁寧に描かれたヤギ。身体の量感や脚の空間、立ち姿の表現も素晴らしい。何度も何度も書き直され、納得する線を残したサカナ。サカナには、サメ、サンマ、サバとタイトルもあった。これらは、対象を客観的に捉え上手に見せることより、自分に忠実に描き出されたスケッチである。この経験から一筆描きのワークショップを考案した。

デザイン画:
児童にスケッチを丁寧にトレースし配置した。自身が加えたものは、直線、円等の幾何形体である。

木彫、へぎ板等の木地師の仕事
乾漆粉、塗り分け、研ぎだし、布目、呂色上げなど塗師の仕事
木地蒔絵、蒔絵、沈金、卵殻、箔絵をはじめ、宝石やサンゴ、金、象牙、七宝などの象嵌は加飾師の仕事

