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TITLE :

湯のてらす景観

CREATOR :

中葉史人

About

人は古来水のある所に集い、水と共に生活を営んできた。都市には水道が通り、水の身内が形成されて各住宅や公共の水場・浴場にひかれていた。銭湯という入浴形態もその一つで、水(湯)のある所に人が集まり、社交場としての役割を持っている。そこでは銭湯は人々にとって日常生活の一部であり、今日のようにわざわざ出かけていくものではなかった。

そこで、銭湯の外観に捨て湯を利用した水景を作ると共に、路地をつなぐ小道とオープンスペースを作ることを提案する。近年の銭湯は老朽化などから外観の魅力が失われつつあるように感じる。銭湯を娯楽の一つとして考えるとしても、温泉街のような魅力ある景観には到底かなわない。また、東京などの都市型銭湯は大通りから少し入った裏路地に面している物が数多く、夜になると通りが暗く印象が悪い。湯の流れる音と水景と共に外観を照らすオープンスペースによって入浴後の休憩・帰るまでの時間の満足感をあげる。また、湯の道と共に伸びる小道を明るくし、隣接する道へ気分良く行けることを心がけた。