日本サイエンス・ビジュアリゼーション研究会
イベント
2013年
出題:
小林麻己人

専門領域:
医学医療系/分子発生生物学

イラスト制作:
木村早希/Ignatochkina Anna


活性酸素(解説重視のイラスト)

目的:サイエンスカフェや研究室紹介に用いるスライド
対象:大学生及び一般市民

問題

活性酸素について解説するに当たり、その理解を助けるイラストを作成する。具体的には、活性酸素が、何でどのような種類があるのかという化学的な点と、生体がどのようにこれらを生成して消去するのかという生物学的な点の、両面を解説する。したがって、これらのことを調べ、その知識を詰め込んだイラストを作成する。擬人化や比喩を駆使しても構わない。

解説

大事なことは解説に使えるようにする点であり、聴衆に、活性酸素が何であるか、どうできてどうなくなるかが、明快に伝わることが肝要。活性酸素をどう表現するかだが、化学式を活用してもいいし、活用しなくてもいい。ただし、ここでは、活性酸素が病気につながるとか、ウイルスをやっつけるとか、の医学的な面は必要とはしないので、危ないとか強いとかのイメージは特にいらない。生物学的な面は、酵素イラストを導入してもいいし、細胞イラストを導入してもいい。知識の習得は、ネットの活用で構わない。間違いがある場合は、出題者が指摘する。

評価のポイント

1.化学的な面(物質)と生物学的な面(生成と代謝)を両立させる
2.科学的に正しく説明できるものにする
3.教科書の図とはひと味違うものにする
4.解説に必要な具体的事項は描き込むが、細かすぎて見づらいスライドにはしない


酸化ストレスと生活習慣病(アート重視のイラスト)

目的:サイエンスカフェや研究室紹介に用いるスライド
対象:大学生及び一般市民

問題

酸化ストレスと生活習慣病の関係を調べ、その知識を聴衆に伝えられるようなイラストを作成する。大事なことは、ひと目見て理解できることであり、アート重視にする。ただし、イメージだけではダメで、具体的な事象(酸化ストレス・生体物質や組織・疾患)は、必ず描き込む。抗酸化物質と健康、という切り口にしても構わない。擬人化や比喩を駆使しても構わない。

解説

 高齢化社会を迎え、生活習慣病の増加とその予防は、医学だけでなく社会的にも重大な問題である。生活習慣病の原因の一つとして、酸化ストレスによる生体分子の損傷、これに続く、細胞や組織の構造・機能の障害が挙げられる。生活習慣(喫煙、飲食、運動など)の良し悪しが疾患につながることを知る学生・一般市民は多いと予想するが、それがどう糖尿病や循環器病の発症に結びつくかを理解する人は意外と少ない。ここでは、学生・一般市民が正しい理解をもてるように、両者をつなげるキーワードの一つ、酸化ストレス、を用い、納得感のあるイラストの作成を目指す。知識の習得は、ネットの活用で構わない。間違いがある場合は、出題者が指摘する。

評価のポイント

1.酸化ストレスと疾患の関連性が正しく伝わるか
2.体・組織や人物など具体的なイラストが描かれているか
3.ひと目で全体像が理解できるスライドになっているか
4.聴衆が興味をひくイラストになっているか