ヒト総合失調症モデル生物としてのショウジョウバエの有用性

本多隆利 生物学類2年(学生)
長田絵理香 芸術専門学群1年
黒木沙彩 芸術専門学群1年
目的:ヒト統合失調症モデル生物としてショウジョウバエを用いる有用性」を示す一般向けの解説図の作成
対象:研究者・学生・一般読者(科学に関心のある方)
サイズ:自由・カラー
問題
統合失調症は、約100人に1人が発症する高い発症率を示す精神疾患でありながら、発症の原因について詳しいことは明らかにされていない現状である。近年、神経科学における目覚ましい進歩に伴い、脳神経疾患の原因候補遺伝子が数多く同定されてきた。原因候補遺伝子から実際の脳の病態に至るまでの複雑なメカニズムを解明するためには、有効なモデル生物を用いた分子遺伝学的アプローチが要求される。この点でショウジョウバエはその高い利便性や、遺伝学研究材料として長い歴史があることはもちろん、近年ではヒト疾患遺伝子の多くがショウジョウバエにおいても保存されていることが明らかになり、精神疾患研究への応用面でも可能性を秘めていると言える。しかし、新規のアプローチである ために一般の方はもちろん研究者も含め、ヒト統合失調症モデル生物としてショウジョウバエを用いる有用性を的確に理解されている方は少ないと思われる。そこで今回、「ヒト統合失調症モデル生物としてショウジョウバエを用いる有用性」についてイラストを通して視覚的に表現し、このアプローチを始めて知る方も容易に理解できるようなサイエンスイラストレーションを制作することを目指す。