私にとってスケッチや素描は思い浮かんだ想像をそのまま紙に写し出すことが出来ます。脳と手が直接繋がっているような感覚で描画材料から支持体へアウトプットします。そして、絵画表現を参照とする理由には、現実的な人物の肌、質感表現が多いことが挙げられ、私にとって非常に参考となるのが絵画表現における肌理であります。
例えば、イタリアのルネサンスを代表するレオナルド・ダ・ヴィンチ(伊: Leonardo da Vinci, 1452 – 1519)のリアリズムの空間は、スフマートという輪郭線をぼかす塗り重ねのテクニックによって描かれております。「モナ・リザ」(伊: La Gioconda 1503 – 1505)は、モデルが背景に広がる広大な風景を背に佇んでいます。空気遠近法によってその人物と背景が空気と一体化され、連続した合理的な秩序を持った写実の世界観を描出しています。