日本心理学会シンポジウム「過敏・過剰の神経心理学」開催報告

「課題設定による先導的人文学・社会科学研究推進事業(日本学術振興会からの委託事業)」の一環として、小山教授および中央大学文学部緑川晶教授が共同で日本心理学会第84会大会(9月8日~11月2日 東洋大学オンライン開催)にてシンポジウムを開催いたしました。演者および演題は下記の通りです。

SS-045 過敏・過剰の神経心理学

[企画代表者,話題提供者] 小山 慎一 筑波大学

[企画者,司会者] 緑川 晶 中央大学

[話題提供者] 西尾 慶之 東京都立松沢病院

[話題提供者] 高橋 康介 中京大学

[話題提供者] 井手 正和 国立障害者リハビリテーションセンター研究所

[シンポジウム要旨] 脳機能イメージングの研究によって,片頭痛における大脳皮質視覚野の過剰興奮性(hyperexcitability)など,特定の感覚症状と特定の脳部位における過剰な脳活動との関係が明らかになりつつある。さらに,GABAなどの神経伝達物質の働きに着目した研究により過剰な脳活動が生じる仕組みについても理解が深まりつつある。これらの過剰な脳活動についての研究と症状と脳損傷部位を関連付ける既存の神経心理学の知見を合わせて考察することにより,脳と心の関係についての理解が今まで以上に深まることが期待できる。本シンポジウムではトライポフォビア,パレイドリア,アニマシー知覚,自閉症スペクトラム症候群における感覚過敏など,刺激に対する敏感さや過剰な意味づけによって引き起こされると思われる知覚現象を扱った研究の最新の成果について報告するとともに,それらの知覚現象を引き起こす神経活動について脳科学および臨床医学の観点から考察を行う。

日本心理学会第84回大会ホームページ http://jpa2020.com/