脳機能亢進の神経心理学によって推進する「共生」人文社会科学の開拓

課題設定による先導的人文学・社会科学研究推進事業 領域開拓プログラム

本プロジェクトの目的:従来の神経心理学は脳損傷部位と脳機能低下の関係を詳しく調べることによって脳と心の関係の理解に貢献してきた.本研究課題では脳機能亢進という新たな視点から神経心理学を推進し,人文社会科学・デザイン・芸術に応用することによって「共生」人文社会科学という新たな研究領域を開拓するとともに,感覚が過敏な若年者・高齢者と健常者が互いに理解しあい,今まで以上に能力を発揮できる社会を作ることを目指す.

メンバー:

小山 慎一  筑波大学・芸術系・教授(神経心理学,知覚心理学,デザイン学)

緑川 晶   中央大学・文学部・教授(神経心理学,認知心理学)

山本 早里  筑波大学・芸術系・准教授(デザイン学,色彩計画)

首藤 文洋  筑波大学・医学医療系・講師(解剖学,神経科学)

井手 正和  国立障害者リハビリテーションセンター研究所・脳機能系障害研究部・研究員(認知神経科学,神経心理学)

重宗 弥生  中央大学・文学部・研究員(神経心理学,神経科学)

大嶋 玲未  目白大学・人間学部心理カウンセリング学科・専任講師(心理学,社会心理学,産業・組織心理学)

 

本研究プロジェクトは次の3つのフェーズから構成されている。Phase1では若年者と認知症/脳損傷患者を対象に神経心理学的手法を用いて各種敏感さが生じる要因の解析とその仕組みの解明を行い(小山・緑川・首藤・井出・重宗),それらの住環境要因への落とし込みをPhase2において行う(山本)。そこで示された提案をPhase3において検証し,「共生」人文社会科学という新たな研究領域の創成を目指す(小山・緑川・首藤・山本・井出・重宗).


活動報告

日本心理学会シンポジウム「創造性の神経心理学」開催報告

「課題設定による先導的人文学・社会科学研究推進事業(日本学術振興会からの委託事業)」の一環として、小山教授および中央大学文学部緑川晶教授が共同で日本心理学会第83会大会(9月11日~13日 立命館大学大阪いばらきキャンパス)にてシンポジウムを開催いたしました。演者および演題は下記の通りです。

SS-023 創造性の神経心理学 2019年09月11日 13:20 – 15:20

[企画代表者,指定討論者,司会者] 小山 慎一 筑波大学

[企画者,話題提供者] 緑川 晶 中央大学

[話題提供者] 小森 憲治郎 十全ユリノキ病院

[話題提供者] GOMA ディジュリドゥアーティスト・画家

[指定討論者] 川畑 秀明 慶應義塾大学

[シンポジウム要旨] 創造性の神経心理学に関する先行研究では,右半球損傷後の表現力の低下や,認知症の進行に伴う描画力の向上,てんかんの発症に伴う創作活動の開始などが報告されてきた。現在,これらの症例研究は神経美学・脳機能イメージング等の周辺分野と相互に影響しつつ発展を続け,脳が創造性を生み出す仕組みの詳細が次第に明らかになりつつある。本シンポジウムでは,認知症の進行に伴う創作活動の促進(小森),頭部外傷後の描画の変化(緑川)等の最新の症例研究の成果を報告するとともに,交通事故による頭部外傷受傷後に緻密な点描画を描きはじめたGOMA氏より,当事者の視点から「描くこと」について語って頂く。指定討論(川畑・小山)では,神経心理学・脳科学の視点より脳と創造性の関係についての議論を深めていく。

日本心理学会第82回大会ホームページ http://jpa2019.com/

GOMA氏official facebook https://www.facebook.com/GOMAOFFICIAL/

 

発達障害シンポジウム2019実施報告

発達障害シンポジウム2019(4月20日 所沢市こどもと福祉の未来館)は200名以上の参加者にご参加いただき、盛況のもとに終了いたしました。当日の写真は下記のホームページにてご覧いただけます。

https://ameblo.jp/komorebikiki/entry-12456259754.html

 

研究会開催のお知らせ(プロダクトデザイン領域小山研究室)

課題設定による先導的人文学・社会科学研究推進事業領域開拓プログラムおよび中央大学人文科学研究所主催の公開研究会を開催します。

日時:2019年3月22日(金)19時〜

場所:中央大学後楽園キャンパス(3号館12階 31219号室)

演者:飯村 周平氏(中央大学大学院博士後期課程/学振DC1)

演題:発達,遺伝子,進化の視点からみたHighly Sensitive Person(HSP)

要旨:環境刺激に対する感受性・応答性の程度(以下,環境感受性)には,個人間で多様性がみられる。とくに環境感受性の高い個人をHighly

Sensitive Person(HSP)と呼ぶ。従来,環境感受性の高さは,ネガティブな環境下で精神病理を高めるリスク因子とみなされてきた。しかし,近年ではその従来的な見方が見直されつつある。本発表では,近年のエビデンスを示しつつ,発達,遺伝子,進化の視点からHSPを適切に理解する枠組みを議論する。参加無料、事前登録不要です。お問い合わせは下記のフォームからお願いいたします。

 

発達障害シンポジウム2019開催のお知らせ

4月20日に所沢市こどもと福祉の未来館にて発達障害シンポジウム2019を開催します。埼玉県所沢市では、自閉症啓発週間(4月2日~8日)に行われるライト・イット・アップ・ブルー所沢にあわせ、発達障害の人々がもつ“感覚過敏”について、2017年から啓発シンポジウムを開催してきました。今回の企画では、感覚過敏に関する作業療法士の第一人者、特別支援級の学習支援の専門家に加え、自然を取り入れた住みよい住環境の構築を目指す建築家が話題提供をします。更に、来場者から日常生活で負担になっている感覚について意見を集め、どのように建築に落とし込めるのか、“感覚のバリアフリー”を考えます。さらに、発達障害のある方の感覚を考慮した”感覚体験広場”の設置を予定しています。

詳細と参加申し込み(無料・要事前申込)はこちらのホームページからお願いします。

http://m-ide.jp/Sympo2019/index.html

 

公開講演会のお知らせ「”ここちよい” ”つらい” 感覚の科学 ー多様な感覚をもつ人同士の共生社会に向けてー」

公開講演会「”ここちよい” ”つらい” 感覚の科学 ー多様な感覚をもつ人同士の共生社会に向けてー」を下記の通り開催いたします。
参加費無料、どなたでもご参加いただけます。下記のサイトよりお申し込みください。
https://sites.google.com/view/sendo2018

日時:平成30年12月26日(水)16:30~19:00(開場16:00)

定員:50名

会場:筑波大学 東京キャンパス 文京校舎 122講義室

プログラム(予定):
16:30~16:45 研究プロジェクト説明 筑波大学芸術系/小山慎一 .

16:45~17:15 「脳の興奮の調整と自閉スペクトラム症の感覚過敏」 国立障害者リハビリテーションセンター研究所/井手正和

17:15~18:00「触れ合いで起こる親や子どもの行動生理変化」 東邦大学医学部/吉田さちね

18:00~18:40 「ここちよい住環境をつくる試み 」 ヒダマリデザイン設計室/太田陽貴

18:40~19:00 指定討論&ディスカッション 中央大学文学部/緑川晶

 

公開研究会(兼第3回ミーティング)を開催しました

7月14日に中央大学駿河台記念館にて公開研究会を開催いたしました。阿部修士先生(京都大学こころの未来研究センター准教授)には「正直さの認知神経科学」という演題でご講演いただき,浅井智久先生(国際電気通信基礎技術研究所研究員)には見えないつながりを可視化する:心・身体・脳の階層的なネットワーク構造」という演題でご講演いただきました。

http://www.chuo-u.ac.jp/research/institutes/culturalscience/event/2018/06/70855/

 

サイエンスカフェ(4月1日 西武所沢店ワルツホール)開催報告

4月1日に行なわれましたサイエンスカフェには150名の参加者にご参加いただき,盛況のうちに終了いたしました。

当日の写真(中央大学研究推進支援本部Facebookより)

 

第2回ミーティングを開催しました

3月26日に筑波大学東京キャンパス文京校舎にて「脳機能亢進の神経心理学によって推進する『共生』人文社会科学の開拓」第2回ミーティングを行いました。研究代表者・分担者・共同研究者による研究紹介と研究打ち合わせを行いました。

 

シンポジウム(KEER2018ワークショップ)開催報告

3月21日に小山教授がKEER2018(Kuching, Malaysia)にてシンポジウムを開催し,研究成果を報告いたしました。シンポジウムでは活発な議論が行なわれ、盛況のうちに終了いたしました。

7th International KANSEI Engineering & Emotion Research Conference 2018 Workshop 6 “Physiological/psychological evaluation of emotional effects in case modeling studies for the Kansei Engineering”

Shinichi Koyama “Emotional responses to visual patterns”

KEER2018

https://www.keer2018.com/

PDF https://docs.wixstatic.com/ugd/8c5ef2_e21b73cf5b2c49cb8c43305daa0428bf.pdf

 

4月1日に西武所沢店ワルツホールにてサイエンスカフェを開催します

日時:平成30年4月1日(日)13:30~16:00(開場13:00)

「敏感さ、鈍感さってなあに? ー 個性的な感覚と共に生きる社会 ー」

日時:平成30年4月1日(日)13:30~16:00(開場13:00)

定員:150名

会場:西武所沢店ワルツホール

参加費:無料

13:30~13:40 開会挨拶
筑波大学・教授 小山慎一

13:40~14:05 「個性的な感覚世界の謎」
国立障害者リハビリテーションセンター研究所・研究員 井手正和

14:05~14:30 「高齢期に見られる過敏性」
中央大学・教授 緑川晶

14:30~14:40 休憩

14:40~15:05 「頭痛になりやすい人、模様に敏感な人」
筑波大学・教授 小山慎一

15:05~15:30 「自閉症の人がはたらきやすい職場環境」
立教大学・助教 大嶋玲未

15:30~15:50 フロアトーク

15:55~16:00 ライト・イット・アップ・ブルーの取り組み紹介
閉会挨拶
ライト・イット・アップ・ブルー所沢実行委員長/櫻場敬子

詳細および申し込み方法はこちらのホームページをご覧ください

https://sites.google.com/view/sympo2018

ポスターはこちらです(学群4年大竹美緒さんの作品) https://drive.google.com/file/d/14ZoU2gr-AUFW7CT67CCp-bp7z2BaVJCX/view

 

キックオフミーティングを開催しました

12月27日に筑波大学東京キャンパス文京校舎にて「脳機能亢進の神経心理学によって推進する『共生』人文社会科学の開拓」キックオフミーティングを行いました。研究代表者・分担者による研究紹介,共同研究者・学生も含めた研究打ち合わせ,中央大学URAとのアウトリーチ活動に関する打ち合わせなど,幅広い議題について話し合いを行いました。研究成果およびアウトリーチ活動については,このホームページにて随時お知らせいたします。