

Details
TITLE :
Town lighting that people move
CREATOR :
Yumeno Nohara
About
私が提案したいのは、『お店の中の様子があかりに反映される看板』である。
私は商店街が好きだ。私はいろいろなところへ旅をするが、そのまちの商店街は必ず歩くようにしている。商店街にはそのまちの個性や雰囲気や活気が詰まっている気がするからである。今回はこの商店街を『テンポをてらす』の店舗の集合体として設定した。
商店街を照らしているのは何だろうかと考えたところ、夜の商店街のあかりは、立ち並ぶ店の外に出ている店の看板であることに気づいた。看板といえば各店の象徴であり、個性的なものも多く、看板だけ見て歩くのも楽しい。
なので、そんな店の看板とまちの人の行動が結びつくと、そのまちらしさのようなものが、視覚的に認識できてもっと楽しくなるのではないか、と考えた。
そこで提案したいのが、この『お店の中の様子があかりに反映される看板』である。
店内にカメラとマイクを設置し、画像解析と音声認識によって人の密度とにぎやかさを判定し、看板の電気と連動させる。右上の図のように、店の中が混んでいるとより明るく、満席だと点滅、人の声による賑やかさが大きいと黄色っぽい光、静かで落ち着いていると白っぽい光にリアルタイムで変わる、というものである。
これによって、あまり商店街にこない人々、は、『今日は静かにお話がしたいから白い光のところ、ああ点滅している、満席だ。。』というように、入るお店を選ぶときに得られる情報が増えるし、常連さんはまた新たな発見ができるかもしれない。この看板をみて各店舗が新たな競争を始めるかもしれない。
この仕組みを考えている中で、これを商店街の全ての店舗や、そもそも全ての商店街で導入した時が面白いことに気ついた。今回は、北海道札幌の狸小路や、東京都板橋区のハッピーロードのような、夜にそこそこ人が行き来しており、統一された店ごとの看板がある商店街をモデルに設定することにする。
商店街の全ての店舗にこれを導入すると、その日その時によって変化するそのまちの賑わいや活気が、目に見える『まちあかり』となって現れる。
例えば平日よりは金曜の夜の方が、街全体が明るくなるだろうし、普通の金曜日よりプレミアムフライデーの方が、満席の店が多くその分多くの看板が点滅し、街全体が明るくきらめくことになりそうだ。
その景色はまちの人が動く限り変わり続けて、同じ景色は二度とない。その刹那的な現象が、また人によって新たなストーリーを生み出す気がして、わくわくした。 また、狸小路は私の特に好きな商店街で、地元から3時間ほどかかるが月に1回は訪れていたのだが、その特徴として、スーパー、食堂、服屋、居酒屋、ライブハウス、クラブなどがそれぞれ固まって配置されていて、盛り上がる時間や営業時間帯も、1丁目から7丁目まで、グラデーションのようになっている。
そのため狸小路にこのシステムを導入すると、1日の中でも明かりが移り変わっていくというような面白さが生まれるのではないか、と感じた。
まちを照らす看板たちは絶えず変化して街明かりを演出し、無限に違った景色を私たちに見せてくれる。