住み手のひとりごと 04/21/2001

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住み手としては,のの字ハウスの設計プロセスを通じて,家が,モノのあり方・使い方を考えるための道具として作られることを望んでいた.
であるからには,使う側はそれを扱う際に知的活動が要求されるというリアクティブな関係を拒否してはならない.これは,考えるための家なのである.

■構造物として 人工物としての家には様々な側面があるようだ.基本機能である安全・防御について良く知り,考えるためには,それらの諸条件が見えることが必要だろう.
すなわち,基礎としての1階部分は素材と構造があらわになることによって作り方が理解される.コンクリート打ちっ放しの基本設計は素材についての認識を深め,二つの部屋が2階を支える柱として機能することに気づくとき,構造的な安心感が得られる.庭と車庫間の土留めを兼ねた立ち上がりや垂れ壁が2階の基礎としての強度を補強していることも視覚的に理解可能であり,構造と強度についての大まかな認識が育まれる.2階部分も,その構造は理解されるために存在する.柱,梁などが見えることによって構造について知ることが出来る.片面貼りの壁もその構造を考える手がかりになるだろう.


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