「実習」食分野:雑穀を用いた食育

平成19年度の活動実績と今後の活動予定



雑穀を用いた食育コースは、初等教育や社会教育における食育に雑穀を活用することを想定して、雑穀を栽培して食べるまでの 過程を学習し、食育の展開方向を模索しながら、雑穀を用いた食育を実践できる人を育成します。

実習は4月から1月まで10回を計画しておりますが、これとは別に市内の小学校を実践の場として活動を進めます。今までに 実施した活動内容についてご紹介します。また、今後の活動予定については昨年の活動内容を参考にしながらご紹介します。

・4月14日(土)

食と緑のマイスター育成講座を受講する市民と、食と緑のインターンシップを受講する学生がはじめて顔を合わせました。 本年度は8人の市民の方と5人の学生が受講しております。昨年、このコースを受講した4年生、3人が協力学生として参加 することになりました。第1回目は林准教授から雑穀に関する講義があり、昨年栽培した雑穀を見てその特徴を理解しました。 また、昨年の課題別学習について、紹介されました。

  

・5月12日(土)
実習の場である農林技術センターに栽培する雑穀の種まきと、栽培加工して食べるためのアワ、キビの種まきを行いました。 はじめにアワ、キビの栽培圃場の施肥設計を行い、使用する化成肥料の量を計算しましたが、久しぶりの計算にとまどう受講生も 見受けられました。圃場に施肥をした後、鍬で作条して播種し、覆土、鎮圧を行いました。一方、雑穀見本園に播種する種は、 セルトレーに播種し、十分に根が張ってから定植の予定です。

  
  
  
  

・5月21日(月)
もう一つの実習の場である、つくば市立竹園西小学校の畑の準備に行きました。筑波大学からロータリーを装着した乗用トラクターを 小学校まで運び、施肥、耕うん、整地を行いました。



・5月25日(金)
竹園西小学校では5年生の総合学習の時間の中で、雑穀を用いた食育に取り組んでいただいております。また、アワ、ヒエ、 シコクビエ、ホウキモロコシについては、竹園西小学校が筑波大学のパートナーとなって、筑波大学で保存している遺伝資源を 増殖する活動を担っていただいております。今日はあいにくの雨降りとなってしまいましたが、軒下を使って雑穀の種をまきました。

  
  

・6月7日(木)
5月12日に播種した雑穀が十分に育ちました。今日は圃場への定植です。筑波大学の学内ループ道路から農林技術センターに 入ってすぐ左手に作物品種見本園を設置しました。作物の種類に応じて、マルチを張ったり、栽植密度を変えたりしています。 この見本園には雑穀以外にも油、繊維、糊、薬となる工芸作物や豆類を栽培し、生物資源学類生の教育にも活用します。また、 希望者には視察も受け入れる計画です。セルトレーで栽培した雑穀を定植した後は、圃場に直播したアワとキビの間引きと、 畦間の除草を行いました。

  
  

・7月26日(木)
この日は農林技術センターと竹園西小学校にある圃場で、防鳥網を設置しました。とても蒸し暑い日でしたが、たくさんの 市民受講生が参加し、教職員・学生と協力して、暑さを忘れるくらい夢中で作業をしていました。

10月の学園祭では中間発表があります。今の受講生を見て、「この調子が続けば素晴らしい中間発表が出来上がるだろう」 と期待する一方、夏バテでスタミナ切れだけは、起きてほしくないと思います。(生物資源学類3年 杉本祐太)

  
  
  

・9月5日(水)
竹園西小学校の児童が、農林技術センターの見学にきました。 夏前に植えた雑穀達は皆大きくなり、実をつけたものもいます。この日は台風が迫っていて、雨が心配されましたが、 見学に支障はありませんでした。何より子供達は雑穀に興味津々で、これは何?あれは何、何に使うのなど、質問ぜめでし た。なんせ雑穀たちは農学を学んでいる私達学生にしても、見たことのないものばかりです。きっと小学生にしてみたら 異世界に迷い込んだ感じだったのかもしれません。

できた雑穀は様々に加工していく予定です。その過程を通して小学生達の、雑穀に限らず身の回り何かに興味を持ち探求する 心を養っていければと思います。(生物資源学類3年 村井洋平)

  
  

・9月14日(金)
農林技術センター内の作物品種見本園で栽培している雑穀や工芸作物、そして 食用として育てたキビが収穫の日を迎えました。市民と学生とがペアになり、協 力して作業を進めました。
アワは品種によって穂の形が尾っぽのように長いものから丸まったものまでさま ざまです。また、ゴマや豆類など馴染みのある作物であっても、それらがどのよ うに実っていて、そしてどうやって収穫するのか、みなさん初めて知ることばか りのようでした。学生も市民の方々も互いに感想を言い合いながら楽しく作業を していました。
収穫した作物はそれぞれが混ざらないように袋に入れ、吊るして乾燥させます。 アワ・キビ・ヒエなどの雑穀はこれから脱穀、選別、精白と工程が進んでいきま す。食用に育てたアワ、キビを食べる日が待ち遠しいです。(生物資源学類4年次  田中彩重子)

    
  
  
  

・9月19日(水)
きょうは先週収穫したキビの脱穀を行いました。脱穀は打ち棒で穂をたたいて子 実を落とす方法と、小型の脱穀機を用いて扱き落とす方法で行いました。打ち棒 でたたき落とす方法は特別な道具が必要ないのでたいへん簡便ですが、穂につい た子実をきれいに脱穀するには相応の時間とこつが必要です。一方、小型の脱穀 機は誰もがきれいに脱穀できる一方で、扱き胴に手を引き込まれないように注意 しなければいけません。今回は試験用の脱穀機を使用しましたが、どの家にもあ る道具ではありません。また、いずれの方法にせよ脱穀しただけでは穎が完全に はとれないので、今後は調製作業が必要となります。

  
  

午後はつくば市立竹園西小学校の5年生が栽培した雑穀の収穫を行いました。竹 園西小学校では、大学のパートナーとして筑波大学が保有する雑穀遺伝資源の増 殖を行っており、毎年5年生が雑穀の栽培を通して食を考える総合学習の中で取 り組んでいます。遺伝資源としてはアワ、ヒエ、シコクビエとホウキモロコシを 栽培し、それぞれの班にわかれて収穫、脱穀を行い、ほ場の片付けを行いまし た。また、今後、食育に使うキビは全員が食べれる面積で栽培を行い、釜石16号 を6.2kg収穫しました。活動に参加している市民と学生は児童の収穫・脱穀作業 やほ場のかたづけを指導しました。

  
    

  
  
   

・10月6日(土)
10月とはいえ、まだまだ強い日差しの照りつける中、アワの脱穀をしました。は さ掛けにしてあった穂は、降ろすと実の重さでずっしりとしています。これを機 械にかけてゆきます。キビの時と同じ小型の脱穀機を用いましたが、アワは粒が しっかりとくっついているので、少し機械にかけるだけでは脱穀できません。穂 の先だけ切って入れ、しばらく機械の中で廻すという方法をとりました。
作業は、不良の穂を分ける人→穂先を切る人→機械に入れる人→屑を取り、粒を まとめる人、と流れ作業にして行いました。不良の穂を分ける人は、口に入るも のだから安全なものをと思う気持ちと、せっかく実った穂をなるべく無駄にした くない気持ちとの狭間で判断に悩む場面もありました。こうしてアワも脱穀さ れ、食物らしい姿になってきました。(雑穀コース受講市民 藤平真理子)

       

・10月20日(土)
学園祭で中間発表したポスターの講評とパワーポイントを使った資料作成のコツや表現の仕方を 先生、学生、市民で話し合いました。それぞれ良い所、悪い所を意見しあい、次の発表の時には、 もっと見やすくいいポスターを作ろうと意気込みました。
その後、農林技術センターでキビとアワの精白作業を行いました。精白には米用の循環式精米機を使い網目を雑穀に適した目の細かい ものに交換しました。雑穀の加工は難しく工夫が必要です。雑穀がきれいに精白される様はドキ ドキと同時に楽しく嬉しいものでした。
種蒔きしても稔るまで数ヶ月、収穫し食べ物として口に運ばれるまでいろいろな工程があり大変 だと思うと同時に、食物を大事に頂かなくてはという思いになります。この日はキビを製粉した ものを使って黍団子を試作しました。キビの割合や粉の挽き方の種類、調合などを変えて何種類 か黍団子を作り、どれがよいできか話し合いました。その作業工程はとても楽しく、また、おい しく出来上がりましたので、今度は小学校の調理実習で小学生に味わってもらいたいと思います。 小学生と一緒に調理実習を行う日がとても楽しみです。(雑穀コース受講市民、鳥居美百子)

  

  

  

・11月10日(土)
この日行ったのはそばの製粉とそばうち体験です。製粉はまずそばの殻を取るところから始まり ます。ふるいにかけてそば(玄そばと言います)を大きさで篩分けし、均一な大きさの玄そばを壁 にぶつけて皮を取るという脱皮機にかけてそば殻をとります。殻がとれたそばは「抜き」と言い ますが、脱皮機にかけた玄そばのすべてがきれいに脱皮できるわけではないので、殻がついてい る実を全員で選別しました。
そばうちといえば、うどんのように、たたきつけたり、踏んだりといったことを想像していま した。そのため格好も普段より作業に向いた服装にしてきたのですが、実際はかなり違っていま した。なんと机の上にあるのは木で作られた板に棒がくっついているという代物。実はこれがつ くば市の誇る食品総合研究所の作ったそばうち機でした。また脇にある微妙に振動している装置。これは通常120ミクロ ン程度にしか細かくできないそば粉を、さらに細かく80ミクロン程度でひくことのできる製粉機 で、これを使ってそば粉をひきました。また、この製粉機はそばの実(抜き)全部を製粉できます。 そうするとどうなるかというと、通常つなぎとして用いる小麦粉などを使わないでも、抜きの外 周部に局在しているたんぱく質が粉にふくまれるために、これが水に溶けてそば粉をくっつけ、 だれでも十割そばが打てるのだそうです。
ボールに測り取った取ったそば粉に所定量の水をいれました。そば粉の量はもちろん、水もメ スシリンダーとスポイトで正確に計りました。「水は少ないほどそば本来の香りが出るし、多す ぎると切れちゃいますよ。だから水は正確に」という先生の指示のもとみな慎重にやっていまし た。そしてひた特製の攪拌機でかき回し、団子状に固まってきたところで、そばうち機で圧力を 加えて平らにしていきます。そのあとはただ前後させるだけで均一の厚さになるように、真ん中 だけ1.2mm細くなっている麺棒で伸ばしました。すると伸ばすときに端が切れてしまいました。 これは水が均一に分散できていなかったために水が少ないところで切れたみたいです。残念でし た。そして、パスタマシンのような麺切り機で細く切って生そばが完成しました。早速ゆでてみ て食べてみました。
 「か、香る!!」
これが初めての印象でした。おいしい蕎麦屋さんのそばってそばの香りがしますよね。あのそ ばの3倍くらいのイメージを持ってもらっていいんじゃないかと思います。とにかく香りました。 それもそのはず、常陸秋蕎麦の新蕎麦のだったからです。他にも中国産の玄そばと北海道産の玄 そばでも同じ手順で作って食べました。中国産は普段食べているものが少しよくなったような印 象。おそらく作り立てだからでしょう。そして、石狩産のものは常陸秋蕎麦よりも香りが強いの ですが、自分にあった風味のものは常陸秋蕎麦でした。生まれも育ちも関東な私には常陸という 大地から取れたもののほうがおいしかったのかもしれません。
以上蕎麦うち体験でしたが、おいしさとともに作る楽しみがあり本当に充実した実習でした。 (生物資源学類3年 齋藤将司)

 

   

   

    

・12月8日(土)
今日は二つの実習内容でした。はじめに静岡市井川地区の雑穀栽培についてのビ デオを見ました。この数ヶ月間、雑穀の栽培、収穫、調整、調理とはじめての体 験をしましたが、本当に大変だなと感じていました。しかし、井川地区で機械を 使わず昔ながらの方法で作業をする姿に驚きを感じると共に、はたしてこれから この技術はうまく継承されていくのだろうかと、またこの大変さを考えず何気な く雑穀を食べていたことも考えさせられました。
引き続き、課題別学習について学生と市民が二人一組になってテーマの絞り込み や構想について話し合いました。まず設定した大まかなテーマについてどう進行 していくかを発表して、受講市民や学生、先生の意見を聞きました。オリジナリ ティと雑穀を用いた食育にどうつながるかが重要なポイントのようです。自分な りの構想とは違って、また一からやり直しです。先生や、学生の方の力を借りて 中間発表以上の成果があがるように努力していきたいです。(雑穀コース受講市 民、木村初子)

  
  

・1月12日(土)
今回は小学校で行う調理実習の試作会をしました。この日は雨で外も寒かったの ですが、中はストーブとやる気で暖かかったです。メニューは市民の方が考えて きたきび団子、雑穀とさつまいものジュース煮、そして雑穀粥です。本番では自 分達で子供たちに教えなければいけないので皆真剣でした。きびだんごはきび粉 の状態によって水分の調節が必要で、こねる時にもポロポロするので力の入れ具 合が難しいと感じました。手順の少ないさつまいも煮も、子供にさつまいもを切 らせるのは力がいるなど実際に調理してみて気付く点も多かったと思います。分 量を量ったり材料を切るだけでも初めての料理では時間もかかるだろうなと思い ました。さつまいも煮や雑穀粥は20分程煮ただけなのに雑穀からもちもち感が 全体に広がってとてもおいしく感じられました。
また、前々回と同様に十割そばも作りました。今回は農林技術センターのそば粉 を使いました。そば粉をお湯で溶いたそばがきを油で揚げたもの、短く切れたそ ばを揚げた揚げそばなど他の食べ方にも挑戦してみました。そばがきはもっちり と、揚げそばはぱりぱりした感触で食べやすい味でした。先生が持って来て下 さったそば羊羹もほのかな甘みで大好評でした。 小学校での調理実習本番でも子供たちにおいしさと楽しさを体験してもらえると 良いなぁと思います。(生物資源学類3年 本多佳子)

  
  
  
  

・1月30日(水)
今日は、春から児童が自分達で種を蒔き、暑い中草取りをして大切に育て、自分 達で収穫をした雑穀(アワ・ヒエ・キビ)を使っての、待ちに待った調理実習の 日です。1班(4〜5人の児童)に、1人の市民または学生が指導者として入りまし た。この日のメニューは、サツマイモとアワのりんごジュース煮、アワ、ヒエ、 キビを使った雑穀粥ときび団子の3品です。1組目のキビ団子は、キビを炊い て、少しつぶしてから団子にしました。2組目では、キビの粉と白玉粉を混ぜて 作ったきび団子です。短時間(85分)で3品を作って、食べて、片づけなくてはい けないので、時間内に終わるのか不安でしたが、事前の準備と調理時間の確認を しっかり行っていたことと、児童がとても意欲的に取り組んでくれたおかげで、 スムーズに作業が進みました。竹園西小の児童は、雑穀料理を作るのはもちろ ん、食べるのも初めてのことです。どんな料理になるのかと、瞳を輝かせて包丁 を握っていました。児童は家でよく手伝いをしているのでしょうか、じょうずに 野菜を切っていきます。鍋に着いた雑穀の粒をお玉と小さなスプーンできれいに 取って、器によそっている姿が印象的でした。さあ、試食です。「おいしい!お いしい!」の言葉とともに、あっという間にたいらげてしまいました。なかに は、キビ団子のタレまで全部きれいに食べている児童もいました。器についてい る雑穀をみつめて「もったいない」という児童も。そして、給食用のスプーンを 取り出して、一粒残さずきれいに食べたのです。食後の後片付けで、残飯が、少 しも出ないなどということは、我が家でもほとんどありません。今日は、それが あったのです。食べ物があふれている今を生きている子供達のとった行動に、感 動すら覚えました。こういうところに、食育の本当の意義があるのかもしれませ ん。今日の料理を家でも作ってくれるといいなあと思いました。

4月から続いた現代GPも、いよいよ3月1日の発表を待つばかりとなりました。学 生さんのサポートを頼りに、ポスター作りに、全力を注ぎたいです。林先生・大 澤先生一年間、御指導ありがとうございました。 (雑穀コース受講市民、清水鶴美)

・小学校の調理実習に参加しました。はじめてのことで内心ドキドキでした。子供たちと 雑穀料理を3品作りました。雑穀を初めて食べる子供、雑穀米を家で食べたことのある子 供、自分たちの手で育てた雑穀の調理はみな初めてのようでした。でもその手際の良さに 感心してしまいました。男の子も女の子も関係なく、てきぱきと黒板の調理手順を見なが ら、次は何かしらと考えている私に「次はこれですね?」と聞いてくる。完成した料理は すべてたいらげていました。私の班の一人が、「出されたご飯は全部食べないとお母さんに 叱られる」と言っていました。これこそ食育ですね。そして私の不安をよそにあと片づけ まできっちりとやったのです。この1年間雑穀について勉強してきて最後に子供たちと一 緒に料理を作って食べる。私にとって本当に貴重な体験でしたしこれからも自分なりに雑 穀と関わっていければいいなと思っています。(雑穀コース受講市民 木村初子)

・4月、雑穀の穂を見てもまるで区別がつかなかったところから始まって、5月に種蒔きを してからは作物の成長する姿が楽しくて何度も畑に足を運び、7月、畑で汗だくになってみ んなで作業した後の冷たいお茶のおいしさ!8月、9月、台風が来ると作物が倒れていない かと心配し、収穫する頃には植物としての姿を終える作物に寂しさを感じながら、どうや って食物になっていくのかということに好奇心が湧きました。10月の中間発表のため、資 料探しに図書館にも通い始め、雑穀と人がどう関わってきたのかを考える機会となりまし た。11月からはレシピ作りできびだんごを丸める日々、1月の調理実習では不慣れな指導 にてんてこまいになりつつ、子供たちの素直な反応が新鮮で楽しく、そして2月、気付い てみればこの講座で得た充実感に満たされていました。 担当の先生や、講議を聴講させて下さった先生方を始め、専門家の方々のお話を直接伺え たことはとても楽しく、学ぶということの楽しさを思い出させて頂きました。皆で共同作 業したことは楽しい思い出です。この貴重な経験をさせて頂いたことに感謝し、これから も学び続け、身近な所から食の大切さ、ありがたさを伝えて行けたらと思います。(雑穀コ ース受講市民 藤平真理子)

・「雑穀を用いた食育」を通して、1粒の種から何倍もの粒に育つ雑穀はとても強い生命力 のある食べ物であり、日本の伝統的な作物であることを認識し、日本古来の伝統食として 見直す必要性を感じました。そして、いろいろな方法でおいしく頂けることもわかりまし た。種まきをして収穫し、口に運ばれるまでの工程がとても大変な食物ではありますが、 一貫して学ぶことで、自然の恵みの有難さや感謝の心が学べたと思います。小学校で栽培 して調理実習をしましたが、子供たちもとても楽しそうで、雑穀を用いた料理を口にした ときに、「こんなに素晴らしい食べ物、最高においしい。」「お米よりもおいしい」といった 声が聞こえ、子供たちの感性は素晴らしいと思いました。私自身も、とても勉強になった 貴重な体験でした。これからも雑穀の調理法などいろいろ研究したいと思います。ありが とうございました。(雑穀コース受講市民 鳥居美百子)

・小学校での調理実習は、怪我や事故もなく、無事に終わることができて本当によかった です。なぜだか小学生との年齢差を感じることはなく、小学生へ溶け込んで一緒に作業で きたのが不思議でした。 現代GPを受講してよかった点が二つあります。それは、市民との交流ができたこと、そし て自分の至らなさがわかったことです。つくば市の市民と交流して、新たな人脈ができた だけでなく、市民の学習に対する並々ならぬ情熱を目にすることで、「自分も頑張らなけれ ば」と触発されて、いい刺激を得ることもできました。今回、学生は市民のサポートをす るという立場で参加しましたが、私自身、このような経験は初めてで、市民とのコミュニ ケーションで上手くいかなかった面もあり、十分にサポートできませんでした。この経験 から、「自分はまだまだ未熟だ」ということに改めて気づき、一層の精進が必要だと痛感で きました。最後に、一年間お世話になった市民や先生、そして学生へこの場を借りて、お 礼を申し上げます。本当にありがとうございました。(生物資源学類3年 杉本祐太)

・子供たちや校長先生と一緒に食べているときのことでした。「昔の人の多くはこういう雑 穀のおかゆを食べていたんだよ。」というと、女の子から「昔の人はこんなにおいしいもの を食べていたの。うらやましいなぁ。」と笑顔がこぼれていました。そのとき、雑穀の良さ をありのままに受け止めていたのは他でもない子ども自身だったことに気づきました。子 供の持つ感性の豊かさに改めて驚かされました。子供たちにとって、自分たち学生にとっ て、このような貴重な体験をできたことを本当にうれしく思いました。先生方、農林技術 センターの方々、竹園西小学校の方々、先輩など皆様、本当にありがとうございました。(生 物資源学類3年 齊藤将司)

・4月から通して雑穀の栽培を行い、小さな粒が栄養を得て成長することの偉大さ、そし て機械化せずに雑穀を育てることは非常に手間のかかる大変な作業であることを改めて感 じました。今回は小学校の子供たちに種の観察から調理実習までの体験をしてもらい、あ わただしい中でしたが食糧がどこから来るのかや、一粒一粒のありがたみを感じられたの ではないかと思います。私自身としては何度も実習に参加する中で、食育は一度で終わる ものではなく繰り返し触れていくことで身に付くのではないかなと感じました。現代GPの 受講は食と向き合う自分について再考する良い機会となったと思います。(生物資源学類3 年 本多佳子)

・小学生は皆とても元気でした。雑穀もそうですが、料理はまだあまり経験がないみたい で、包丁など危なっかしいところがありました。しかし皆真剣に料理をやっていて、上手 くチームワークを取りながらやることができました。雑穀の料理は初めての子が多いよう で、三品の違いも楽しんでいるようでした。男の子には雑穀粥が人気で、女の子にはキビ 団子が人気でした。(生物資源学類3年 村井洋平)

・1月30日の竹園西小での最後の実習は、片付けにしか参加できなかったものの、楽しか ったです。というのも、小学生たちが一生懸命働いている様子や、みんなでわいわい実習 をする様子に心が和んだからだと思います。また到着後皆さんの様子を外から、そっとの ぞいていたのですが、教室にいる全員がおいしそうに雑穀料理を食べていて、羨ましくも あり、微笑ましかったです。 1年間を振り返ってみて、たくさんの人に出会えたこと、市民の方と一緒に授業や実習を受 けたり、ポスター作成をしたりと、様々な大変よい経験を積むことができました。私たち 学生が、日頃行わないようなこともたくさん経験できましたので、現代GPというチャンス を与えてもらったことに感謝しています。皆さんありがとうございました。 最後のまとめは、集大成として頑張りたいと思います。(生物資源学類3年 井上みずき)

・雑穀料理を初めて食べた子供の感想に、「想像よりおいしい」「本当に食べられるんだ」 といったものもあれば、ただただ首をかしげて難しい顔をしている子もいたりした、一生 懸命味わっている様子でした。雑穀を栽培し収穫したとき、その雑穀を「食べる」という 意識はあまりなかったのではないかと思います。しかし、この実習によって、ただ栽培し たという記憶で終わらず、「食べて味わう」という一番大事な経験を子供たちにさせてあ げられたことがとても良かったと思います。(生物資源学類4年 田中彩重子)

  
      
      
    
  
  
  
  
  
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