山田 博之 / YAMADA Hiroyuki
研究指導:山中 敏正
論文:宇宙的規模の知的生産行為に関する考察 -地球防衛施設の設計を通して-
Consideration about product design on a space-wide scale
作品:ミックスト・メディアによるプロダクトコミュニケーションツールの制作
CG animation - MUSE - & Interactive movie - MUSEUM -

わかりやすく説明すると、「地球防衛施設」とは「宇宙戦艦」のこ と。なぜに地球防衛施設というまわりくどい名前なのかはオトナの 世界の話なので触れぬ事。

本論では、宇宙空間における生産行為全般を「地球防衛施設」と 「デザイン£という2つの視点から俯瞰し、その結果として理想とさ れる宇宙戦艦改め地球防衛施設を設計するにはいかなる条件が挙げ られるのか、という今の私には何の関係もない内容となっている。

詳しい内容は文字数の関係上割愛させていただくが、結果として 導き出されたのは、生産行為には方向性が必要であるという極めて 単純なものであった。生産行為には、始点となる要求と終点として の目的(もしくは製品)が存在する。この二点を結んでできる方向性こ そがまさにデザインであり、二点間を移動する速度はデザインの完 成度を左右するものである。ここでいう速度とは、要求と目的とが 引き合う力であり、噛み砕いていうと「ヤバイめっちや欲しいわこ れはよ作って」といった欲求の事である。つまり、方向性が発生し ない状況下ではデザインは存在し得ないというのが私の貴重な5ヶ 月を費やした結論である。青春を返せ。

だから何だと言われてしまえばそれまでなのだが、この方向性と は開発者側の意思の統一を図るために最も大切な要素である。作り 手同士の話がかみ合ってないのでは、良い物はできるはずがない。 私は科学の力しか信用しないのだが、目には見えないベクトルが一 様に開発陣を突き上げるような効果があるとすれば、これからデザ インにおいて必要なのはその方向性を皆に伝える方法なのかもねと カタイ文章はここまでにして卒業制作で息抜きしてね。


「MUSE」+「MUSEUM」

「物っていうのは、もしかしたらその情報の部分しか消費してない のかもしれない。物の価値って一体なんだろう、物質は物質として の価値を持っているのだろうか。」こう思ったのが本制作のきっか けでした。

作るという行為において発想から完成までの間に一貫して流れる 物自体が持っている情報、つまりコンセプトやイメージの部分とい うのは、自分以外に対して非常に伝達しづらい厄介な要素です。ま た製品のデザインにおいては、開発当初のコンセプトと完成品の広 告から得るイメージが異なる場合が多々あります。抽象的な概念の 伝達は、いまだに有効な手段が何も発見されていません。

本制作では「多角的な視点から伝達することによるイメー ジの立体化」をテーマとして、この問題に対する私なりのこ たえを模索してみました。


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