2009年7月10日
それは、1915 年に「体育科」を設置したことにより、教育における文科や理科と同 等の地位を体育が得ることになり、今日の体育が、日本においてすべての学校で行われることにつながったからである。
一方、東京高等師範学校で活発に行われた課外活動は、日本の教育現場にさまざまなスポーツを紹介、普及することとなり、欧米伝来のスポーツが、学生や卒業生により、全国の学校に普及していくことになった。欧米のスポーツのみならず、わが国伝来の、武道、持久走、水泳なども、東京高等師範学校において、児童・生徒に受け入れられる形につくられ、教育的な内容として普及していった。
今日にも受け継がれている、運動会、持久走大会、水泳実習(海浜)、課外活動の普及に、東京高等師範学校は、大きく貢献したのである。
このような東京高等師範学校の体育は、どのようにして編み出され、理論化され、全国に普及していったのか、そこに関わった人物、教材などを中心に振り返るとともに、今日直面している体育の課題を見据える。