「整理整頓」子供の頃からいわれ続けている言葉である。探しているものが何処にあるのか、直ぐに取りだせるのか。乱雑であっても、あれはあの書類の山の中にあると不思議と取りだせることもある。しかし、時間がかかったり、見つけ出せなかったりと効率が悪い。やはり整理整頓は必要である。
片付けるには、まず段ボール箱をいくつか用意して、段ボール箱に物を入れていく。段ボール箱が一杯になると、次の段ボール箱に詰めていく。次々に詰められた段ボール箱は、棚や物置きに収められて片付くのである。しかし、これでは必要なものを取り出す時に大変になる。何がどの段ボール箱に入っているのかがわからないからである。
そこで箱詰めするルールを決め、段ボール箱に仕分けしていく。そのルールがわかるように段ボール箱に名称や記号をマジックで書き込む。ラックの棚にも名称や記号を記したラベルをつけ、後で取り出しやすいようにする。こうした行為を情報の構造化という。
仕分けの基準は、3つである。
(1)時間
(2)50音順(アルファベット順)
(3)共通項
時間とは、作った日時や受け取った日時などの時間の順で仕分けをして構造化することである。
五十音は、整理するものに付けられた名称の50音順やアルファベット順で仕分けし構造化することである。
共通項は、関連性のあるテーマに基づいて仕分けを行ない構造化することである。
構造化の基本は階層構造にある。 階層構造は木構造(ツリー構造)ともいう。データとデータの関係に関連性をつけて区分し、データとデータの関係を階層として図式的に捉えることである。コンピュータではディレクトリやフォルダーと呼んでいるこれらも階層構造である。
整理術について書かれた本がいくつもあるが、時間を仕分けの基準とするものが多い。郵便物や組織内での資料などは、内容を吟味せずにともかく受け取った日時を記して、仕分けを行なうことを勧めているのである。
情報の整理では、これら3つの基準を複合して使用している。図書館での分類は、NDC分類など最初に階層化の方法を決めて分類を行ない、一つのグループ内ではアルファベット順で整理している。衣類を整理する場合、Tシャツとかズボンとかで分け、それぞれのグループでは、色分けや購入日順で分けるなどをして階層化している。
わかりやすさのためには、仕分けや構造化の基準が理解しやすいことと、わかりやすい名称を各グループにつけることが重要である。
2002年10月
木村浩(情報デザイン/筑波大学芸術学系)
筑波大学芸術学系木村浩研究室 > 情報デザイン > デザインの基本