受験生のための筑波大学説明会2022 芸術専門学群
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― 6 ―造形の諸原理を導く自然の諸相の観察と、量・面・均衡・動勢といった彫塑の諸要素と向き合う制作経験及び知識の蓄積を基礎としている。 主な進路は、彫刻家、造形作家、陶芸家、立体造形に関わるモデラーやデザイナーのほか、中学校・高等学校の美術教師など教育界に進む者も多い。また、大学院博士前期課程に進学し、大学等において教育・研究に携わる進路も開かれている。 【書領域】 書領域は、高度な専門的力量を具備した書作家を養成することを主たる目標とする。履修においては、この分野の特殊性(先人の文字遺産を対象とする)に鑑み、理論面と実作面を同時併行的に進行させ、その融合を図ることを重視する。 卒業後は書作家、書理論研究家をはじめ、教育界、出版界などで活躍の場が予想される。また大学院博士前期課程への進学の道もある。 【版画領域】 版画領域は、様々なメディアと関わり合いながら、その表現の範囲を拡大し続けている現代版画の潮流を見据えつつ、版画の基礎的知識と技術を実際の制作を通して修得し、新しい版表現を試みる作家及び造形芸術に係わる柔軟で創意に満ちた職能人の育成を目指している。 卒業後の進路は、版画家、教員、一般企業、デザイナーなど多岐に渡る。また大学院博士前期課程に進学し研究を重ね、専門性を深める道もある。 【構成領域】 構成領域は造形表現における基本的な要素である形体、色彩、テクスチュア、コンポジション、発想法、美的センスの洗練、機器・材料による造形的可能性の探求など各種造形の共通的・基礎的重要課題について、理論及び実技を通して専門的に深く研究する領域である。分野横断的視点から新たな表現の可能性を探求する力や、客観的指標に基づく分析により新しい造形理論を提案できる力を涵養する。 卒業後は各種デザイン、印刷、編集、工芸などの方面への就職や造形作家への道も開かれている。また、進学して大学院を修了した者は、大学、短大、専門学校、高校の教員等になっており、進路の幅広さに特色がある。 【総合造形領域】 総合造形領域は、その視点を現代に据え、「社会の鏡」とも言われる芸術を通して、時代に対応できる眼を養うことをねらいとしている。そのため、特に20世紀の芸術を主題に取り上げ、その理論と実制作を通して芸術と社会との関わりを学ぶ。総合造形コースの教育課程は、3つの内容によって構成されている。1)造形制作を基点とする。2)新しいメディアを使った作品の製作を通してメディアと芸術の可能性を追求する。3)作品展示の方法によって、その意味や表情が変化することを学ぶ。これらを相互に関連付け、隣接分野と有機的つながりを持って展開する。現代の造形芸術を基盤とする、幅広い視野と体験を持ち芸術教養を備えた社会人の育成を目指している。 【工芸領域】 工芸領域は、ガラス・陶磁・木工(漆芸)の3分野からなる。それぞれの演習を通じて、専門的な知識、技術、造形力の修得と、ものづくりの伝統に対する理解力を養う。さらに、現代社会に展開する多様な工芸表現を獲得することを目指す。 卒業後の進路は、陶芸家、造形作家、デザイナー、アーティスト、教員、一般企業など多岐にわたる。さらに深い研究を目指す者のために、大学院博士前期課程へ進学の道もある。

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