芸術学領域

芸術学領域では、次のような学術的分野について、後期課程の研究・教育を行っています。

理論研究を主とする日本美術史、西洋美術史、芸術支援学、芸術教育学などは専門領域に関する知識及び知的探究能力とともに、芸術に対する深い理解と感受性を有した学生が求められます。専門教育を基礎とし、さらに専門性の高い理論的な研究を重ねて、幅広い見識を持ち自立して研究活動を行い、美術理論や芸術教育の諸問題を理論的に探究しています。

制作研究を主とする場合には、独自の表現世界を確立するための創造的態度や表現する能力が求められ、分析的・合理的思考力を涵養し、高度な能力を備えた専門家を養成しています。洋画、日本画などの絵画制作においては高次の技能と描画理論を習得し、その制作過程を学術的に考察します。また立体表現としての彫塑では、歴史的に優れた彫像を学び、理論的実際的な制作研究を進めます。さらに東アジア圏共有の文化である書については、書学書法史や書表現技法についての学術的研究を行い、その成果を制作に反映しています。

本専攻は造形芸術に関する幅広い学識と高度の研究能力をもつ研究者、ならびに卓越した専門的知識・実技能力を有する高度専門職業人を養成することを目的とします。

2015-17年度博士論文(芸術学領域)
2015年度

大﨑 綾子
近現代における日本刺繍の研究

小野 修平
ヨルク・シュマイサーの<変化シリーズ>研究 −多版多色刷り銅版画技法の潜在的特性と表現の発展性について−

春原 史寛
岡本太郎研究 −戦後日本美術の受容と芸術家イメージ

箕輪 佳奈恵
モルディブ共和国の初等美術教育とイスラム

湯澤 美麻
カスパー・ダーヴィト・フリードリヒの作品における地平線・水平線及び視点の設定 −空をモチーフとした絵画表現の分析及び制作実践−

中尾 泰斗
堂本印象の抽象表現における線描の特質

渡部 直
彫刻家新海竹蔵の造形観

城山 萌々
瑛九のリトグラフと版による表現 −再現制作に基づく考察−

2016年度

安生 成美
金石類を中心とした漢代篆書の書法史的研究

太下 義之
アーツカウンシルにおけるアームズ・レングスの原則に関する研究

中川 三千代
デルスニスと日仏芸術社 −展覧会活動を中心に−

林 みちこ
明治政府の対外美術戦略に関する研究 −1910年日英博覧会をめぐって

宮崎 みどり
彫刻における情景の表現 −近代日本彫刻の分析と制作実践を通して−

宮本 温子
人体塑造における「肉付け」の意味

芃宇
画紙の特質を活かした水墨表現

徐 英杰
中国の美術教員養成カリキュラムに関する研究

佐藤 絵里子
1950〜70年代のアメリカにおける美術教育評価論に関する研究

吉野(岡塚)章子
小川一眞研究 −撮影・印刷・出版 近代日本と写真−

2017年度

有田 洋子
戦後日本の教員養成大学・学部における美術教育学の人的制度基盤の成立過程

正岡 知晃
篆刻史観の展開を中心とした西泠印社創始者の印学に関する研究

山本 将之
清水多嘉示の塑造表現 -具象彫刻における構築性の追求-

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