まえがき
序章 本研究の目的と方法,および論文の構成
第1節 目的と背景
1. 問題の所在
2. 従来のリチャードソン像
3. マリオン・リチャードソン・アーカイブの可能性
第2節 先行研究の評価と問題点
1. アーカイブ成立以前の資料に基づいた研究
2. アーカイブ資料に基づいた研究
3. 我が国における経緯
第3節 本研究の特質と方法
第4節 論文の構成
第1章 思想形成と初期改革
第1節 社会的・文化的背景
1. 20世紀初頭の英国社会と教育
2. 20世紀初頭における英国美術の動向
3. 美術教育改革前史
第2節 バーミンガム美術学校卒業まで
1. 家庭環境と教育
2. バーミンガム美術学校
3. キャタソン-スミスによる啓発
第3節 ダドリー女子ハイスクールにおける
初期改革
1. ダドリー女子ハイスクール
2. 美術教育観の変革とポスト印象派展
3. 方法上の変革
第4節 オメガ邂逅から啓蒙的活動へ
1. オメガ工房と1917年子ども絵画展
2. フライの美術教育観への影響
3. 展覧会と講演
4. 社会的活動
第2章 美術教育改革の展開
第1節 ロンドン移転
1. ダドリー離職とロンドンでの教室開設
2. インデペンデント・ギャラリー展覧会
3. フライ「子どもの絵画」
4. マーガレット・ブーリーによる美術鑑賞力調査
第2節 多数の非常勤職と教師教育
1. ロンドン・デイ・トレーニング・カレッジ
2. ロンドン市教師講習会
3. その他の活動
第3節 教育行政
1. ロンドン市美術視学官
2. ゴレル・リポート
3. 1933年ロンドン市子ども絵画展覧会
4. 海外における評価とフライの死
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第4節 美術教育改革の成果
1. ライティングパターンの発展
2. 絵とパターン-リチャードソンとリードの議論
3. 1930年代における美術教育改革の諸成果
4. 1938年ロンドン市子ども絵画展
第5節 回想録執筆と追悼
1. 引退と回想録執筆
2. 元ダドリー生徒からの資料収集
3. 追悼と展覧会
4. 『美術と子ども』出版
第3章 前期講演原稿
第1節 1918年講演
1. 講演の位置づけと構成
2. リチャードソンの美術観と美術教育観の原点
3. 方法の提示
4. 再現描写の訓練への批判
5. 「自由」への批判
第2節 1919年講演
1. 講演の位置づけと構成
2. 「1919年講演拡張版」の全体構成と導入
3. 描画教育の現状認識
4. 美術に対する価値観の混乱と「ポスト印象派」思想
5. 美術教育における価値の混乱と教師の要件
6.「ビジョン」と二つの困難
第3節 ダドリー教育協会講演(1920年)
1. 講演の位置づけと構成
2. 描画教育の諸理論I-観察描写の系譜
3. 描画教育の諸理論II-記憶画の系譜
4. 自己批判の原則
5. 教師の役割
第4章 後期講演原稿
第1節 ロンドン市講演(1925年)
1. 講演の位置づけと構成
2. リチャードソンの教育方法の形成史
3. 歴史的認識と改革への意志
4. 対案の提示
第2節 心理学会講演とその周辺(1925-29年)
1. ブリストル講演と心理学会講演(1925年)
2. 教育省講習会(1929年)
第3節 「直観と教授」(1930年)
1. 講演の位置づけと構成
2. 描画指導の目的論
3. 描画指導の基準探究
4. 描画指導の全体構造
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第5章 内面的イメージに基づく教育方法
第1節 マインド・ピクチャーの意義と役割
1. マインド・ピクチャーの定義
2. マインド・ピクチャーに関する認識の変遷
3. 学習活動におけるマインド・ピクチャーの機能
第2節 アーカイブにおけるマインド・ピクチャー
作品の保管状況と分類方法
1. 全般的な保管状況とデータベース化
2. フォルダー収納作品の特徴と位置づけ
3. ハーバート・リードによる分類
4. アーカイブ資料に即した分類
第3節 マインド・ピクチャー作品の
年代による分類と特徴
1. 年代区分
2. 前期(1916-19年)
3. 中期(1920-24年)
a.最初の「マインド・ピクチャー」の記入
b.形態分類の傾向から
c.リチャードソンのロンドンへの移動の影響
4. 後期(1925-29年)
第6章 教育方法の全体構造とその適用
第1節 リチャードソンの教育方法の構造
1. 3種の指導計画書
a.指導計画書の年代特定
b.第一指導計画書
c.第二指導計画書
d.第三指導計画書
2. ワード・ピクチャーの方法と作品
a.ワード・ピクチャーの定義と特質
b.ワード・ピクチャーの主題と作品の例
c.ワード・ピクチャーの位置づけ
3. その他の描画学習の方法
a.詩や物語
b.ビューティ・ハント
c.材料や色彩の諸練習
d.静物
e.人体
4. パターン作成の方法と作品
5. 美術批評の方法
第2節 リチャードソンの教育方法における
実践上の問題点
1. 「フーパー書簡」
2. リチャードソンの教育方法における二つの原理
3. 「類似性」批判の根拠
4. 学習者中心主義と中等教育
5. 「フーパー書簡」の構成とその背景
結語
1. 歴史的影響関係について
2. 失われていたリチャードソンの言葉
3. よみがえる「マインド・ピクチャー」
4. 教育方法の包括的検証
5. 美術と教育の連続性をめぐって
リチャードソン関連年譜
図版出典一覧
文献一覧
あとがき
索引
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