日本サイエンス・ビジュアリゼーション研究会
イベント
2012年1月

シグナル伝達イメージングを利用した新規抗がん剤探索

出題:
三輪佳宏

専門領域:
分子生物学

イラスト制作:
小堀詠美 / 大野香枝 / 小池美佳子 /
田郷美沙子 / 濱田美奈恵 / 簑拓真 /
堀内瑶恵 / 小田島諒


目的:学会の研究発表や総説に入れる挿絵、スライドなど
対象:一般人〜医学研究者(年齢20〜50歳)
サイズ : A4横位置・カラー(50%に縮小して使用)

問題

次の文は、「新しい抗がん剤になる新規分子を探索する実験系」についての説明文です。挿絵としてこの内容の理解を助ける、わかりやすくて楽しいイラストを描いてください。

これまで抗がん剤は非常に重い副作用がよく知られていました。そこで、がん細胞にとって重要な特定の分子だけを狙って治療効果を発揮する分子標的薬が次々と開発され、期待されています。しかし、そのもととなる活性をもった新規分子を探索するためには、何万種類という天然化合物を使って実験してみなくてはならないため、より簡便で高速に実験できるハイスループットな手法の開発が必要です。

そこで私達は、蛍光タンパク質を使って細胞を光らせ、がん細胞が増殖するシグナルであるEGFを受け取ると、蛍光タンパク質の光が弱くなることで簡単に細胞の活性が検出できる、新しい手法を開発しました。ここにイレッサのような分子標的薬を入れておくと、EGFのシグナルが遮断されるため、蛍光が弱くならず明るいままになることで、簡単に新しい抗がん剤分子を探索できることも見いだしました。

さらにEGFを受け取ると蛍光が弱くなる仕組みについて詳しく調べて行く中で、EGFを受け取ることで細胞内に膜小胞として取り込まれたEGFRが、その後どういう運命をたどるのか明らかになってきました。