日本サイエンス・ビジュアリゼーション研究会
イベント
2011年

核様体上における酸化ストレス防御応答

出題:
大庭良介 医学医療系(教員)
牛島由理 フロンティア医科学専攻(学生)

専門領域:
感染生物学(微生物学)

イラスト制作:
佐藤駿  芸術専門学群2年
鈴木珠未 芸術専門学群1年

目的 : 研究室ホームページや発表資料で使用する、研究概要説明のための図の製作
対象 : 国内外の一般人~分子生物分野の研究者、その研究室を志望する大学生
サイズ : A4(縦・横どちらでも可)1枚。カラー表示。縮小して使用することも考慮。

問題

下記の説明文にある「推論」の理解を助ける、
分かりやすくインパクトのあるイラストを描いて下さい。

細菌が私たちに感染するために突破しなければならない関門のひとつに、マクロファージを代表とした自然免疫細胞がある。これらの免疫細胞は細菌を細胞内に取り込み、様々な酸化ストレスによって菌を殺そうとすうしたる。一方、菌側もそストレスに対して防御能を発揮し、応戦する。こうした攻防の末、生き残った菌は私たちへの感染を成功させる。この防御メカニズムの解明を目指して、現在ある2つの異なる実験結果から1つの推論を導き出した。それは、「核様体上で酸化ストレスに対する防御応答が行われゲノムDNAを保護しているのではないか」という推論である。


話し合った内容のポイント

・内容がやや専門分野に偏っていたため、細かいことよりも何を一番伝えたいか(今回は核様体上でゲノムDNAを守っていること)を話し合って確認した。
・ それぞれの役者(酸化ストレス、防御タンパク質、DNAなど)を分かりやすく表すにはどうしたらよいか、それぞれが持つ意味や重要性、菌側から見たときにどう映るのか話し合った。


アイデアスケッチ


完成作品

イラスト制作:
鈴木珠未 芸術専門学群1年

「核様体上で起こっている」という事が見た人にわかるように制作するため、マクロファージと黄色ブドウ球菌の間で起こっている事を核様体を中心として制作した。一度に起こっていることを凝縮してイラストにするため、出来るだけゴチャゴチャとした画面にならないよう注意した。マクロファージなどを人にしたので、ゲノムDNAの慌てた表情やマクロファージが黄色ブドウ球菌を抱えて取り込んでいる様子などが表現できた。

イラスト制作:
佐藤駿  芸術専門学群2年

研究の内容を一言で説明できるようなイラストを目指して作りました。この研究の解釈において本質的に大切なことを分かりやすく、面白い表現のイラストを考えて制作しました。細かい内容は分かりやすさを重視したためかなり省いて制作をしました。科学の本質をつくようを分かりやすいイメージのイラストを目指して制作しました。