ごあいさつ

楽天株式会社 執行役員 兼
楽天技術研究所代表 森 正弥

インターネットの発展により社会は劇的に変わりました。日々、膨大なデータが分析され、ネットを通して様々な便益を提供しています。人々の習慣も変わり、EC は当然のものとなりました。AI やIoT 等の技術により、更なる利便性向上が期待されています。ですが、実際の商店、レストラン等の店舗においては、それら技術によってどのように店舗が新しい価値を実現していくのかについて、必ずしもその未来ビジョンが共有されてはおりません。
当課題に対し、2016 年に楽天技術研究所は筑波大学様と共に、大学構内に研究拠点「未来店舗デザイン研究室および実験室」を開設しました。また実験的な課題検証を行う過程で得られた学術的知見をビジネスの場で試験応用することで社会に貢献することも企図し、AI やIoT による新しい店舗デザインに基づいたユーザー体験に関する実証研究プロジェクトを始めました。
初年度は筑波大学芸術専門学群と大学院人間総合科学研究科感性認知脳科学専攻の学生約30 名と楽天技術研究所の開発者など非常勤の研究員4 名が研究に従事しました。今年度は実際の楽天市場の有力店舗様の参画により、実務的なテーマに取り組むことで、より応用性の高い実証研究を目指します。
今後共、この未来店舗デザイン研究室・実験室を中心とした我々の活動にご注目、何卒よろしくお願い申し上げます。

筑波大学 人間総合科学研究科 感性認知脳科学専攻 芸術系 教授 山中敏正

2016 年4 月、楽天技術研究所と共同研究を検討する機会をいただきました。筑波大学は建学の理念を「開かれた大学」として44 年前に創設された大学です。すでに半世紀に近い歴史をもっていますが、建学の理念は脈々と受け継がれており、研究科や専攻、分野の中に閉じこもることの少ない研究教育環境が大きな特徴となっています。そのような環境でなにができるのか、あるいはやりたいことを実現するために組織をどう使うか、といった議論をさせていただいた結果、共同研究を開始させていただくことになりました。
店舗・消費者体験について先進的な研究開発を行いたい、という目標設定に基づき、筑波大学のキャンパス内に「未来店舗デザイン研究室」「未来店舗デザイン実験室」を配置させていただき、客員准教授として楽天技術研究所の益子宗先生をお迎えすることができました。研究室、実験室の設えを終えた段階では、研究開始についてプレスリリースを筑波大学と楽天株式会社の連名で出させて頂き、各方面から大きな反響をいただきました。
実質的な研究はまだ始まったばかりですが、すでにこの冊子に掲載されているような研究の芽が出ています。今後も筑波大学の組織的な可能性を活かしつつ、先駆的な取り組みをすすめていきたいと考えています。今後の研究にご期待ください。